欧州無線機器指令(RED)のサイバーセキュリティ要件対応規格であるEN 18031をポイント解説!

REDサイバーセキュリティ要件とEN 18031

2025年8月1日、EU市場における無線機器の販売環境が大きく変化しました。欧州無線機器指令(Radio Equipment Directive:RED)に新たなサイバーセキュリティ要件が
追加され、BluetoothやWi-Fiなどの無線機能を搭載した
機器には従来の安全性要件に加えてサイバーセキュリティ対策の実装と証明が義務付けられました。

本記事では、この新要件に対応するための技術基準であるEN 18031規格の詳細から、具体的な適合プロセス、そして企業が取るべき戦略的対応までを包括的に解説します。最後まで読んで、法的リスクを回避し、EU市場での継続的な事業展開を実現するための実践的な知識を得ましょう。

※重要: 2025年8月1日以降、要件に適合しない無線機器は欧州市場での販売が禁止されています。



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1. 欧州無線機器指令(RED)のサイバーセキュリティ要件


欧州無線機器指令(RED)は、EU域内で販売される無線機器の安全性と相互運用性を確保するための重要な法的枠組みです。2025年8月からの新要件導入により、無線機器メーカーは従来にない課題への対応が求められています。


1.1. REDの背景と新要件の必要性

欧州無線機器指令は、無線機器の技術的適合性を確保し、電波の有効利用と利用者の安全を保護するための指令として機能してきました。しかし、IoT機器の急速な普及とネットワーク接続の常態化により、無線機器を標的としたサイバー攻撃が深刻な社会問題となっています。

これらの脅威に対応するため、欧州委員会は2025年8月1日から、REDにサイバーセキュリティ要件を新たに追加することを決定しました。この要件は、単なる技術的制約ではなく、デジタル社会の安全性確保に向けた包括的な取り組みの一環として位置づけられています。

 

1.2. 対象製品の広範な範囲

REDのサイバーセキュリティ要件は、Bluetooth、Wi-Fi、RFID、Zigbee、LoRaWANなどの無線通信機能を搭載した機器全般が対象となります。重要なのは、インターネットに直接接続しない機器や、ファイアウォール環境下での使用に限定される機器も対象となる可能性があることです。


具体的に、以下のようなケースでも要件の対象となる可能性があります。


  • ・無線機能としてBluetoothやRFIDのみを搭載し、Wi-Fiは搭載していない機器
  • ・インターネットへの接続がスマートフォンを介した間接接続に限定される機器
  • ・企業内ネットワークなど、制限された環境での使用を前提とする機器

これはEN 18031の対象範囲が特定のプロトコルや接続形態に限定されず、無線機器が持つ潜在的なセキュリティリスク全般を対象としているためです。

 

1.3. 義務化によるインパクト

2025年8月1日以降、サイバーセキュリティ要件に適合しない無線機器は、欧州市場での販売が禁止されます。これは、既存の製品であっても例外ではなく、継続販売のためには新要件への適合が必須となります。

違反した場合のペナルティは深刻で、巨額の罰金、製品リコール、市場アクセスの永続的な制限など、企業の事業継続に致命的な影響を与える可能性があります。また、ブランドイメージの毀損や顧客からの信頼失墜など、数値化困難な損失も考慮する必要があります。

 

2. EN 18031が示すセキュリティ基準と適合の重要性


EN 18031は、REDのサイバーセキュリティ要件に適合するための具体的な技術基準を定めた整合規格(harmonized standard)です。この規格への適合により、企業は法的要件を満たしていることを客観的に証明できます。

 

2.1. EN 18031規格の基本的な位置づけ

EN 18031は、European Telecommunications Standards Institute(ETSI)によって開発された技術規格で、REDのサイバーセキュリティ要件に適合するための実践的なガイドラインを提供します。
整合規格としての地位により、この規格に適合した製品は、REDの関連要件を満たしているものと推定されます。

この規格は、無線機器が直面する現実的なサイバーセキュリティ脅威を分析し、それらに対する効果的な対策を技術的に実装するための方法論を提供しています。
単なる理論的な安全性ではなく、実用的な環境における脅威への耐性を重視した内容となっています。

 

2.2. EN 18031の具体的要求事項

EN 18031では、無線機器が現実的に直面するサイバーセキュリティ脅威に対する具体的な防御機能の実装を求めています。

要求事項カテゴリ 主な対策内容 具体的な実装例
ネットワーク
セキュリティ対策
不正アクセスの防止と通信の保護 ・デフォルトパスワードの廃止
・強固な認証プロトコルの採用
・通信経路の暗号化
・不正アクセス試行の検出と遮断
データ完整性の保護 データ改ざんの防止と検証 ・デジタル署名の実装
・ハッシュ値検証機能
・データベースの暗号化
・改ざん検知システム
セキュリティ
アップデート機能
脆弱性対応のための安全な更新機能 ・更新データの完整性検証
・更新プロセスの認証機構
・セキュアな配信メカニズム
・ロールバック機能

 

2.3. 適合性の証明プロセス

EN 18031への適合は、単なる設計上の配慮では不十分で、実際の機器を用いた試験による客観的な証明が必要です。試験では、規格で定められた各種攻撃シナリオに対する機器の耐性が詳細に評価されます。 試験項目には、パスワード攻撃、通信傍受、データ改ざん、ファームウェア操作など、現実的な攻撃手法に対する防御能力の検証が含まれます。これらの試験を通じて、理論上の安全性ではなく、実環境における実効的な安全性が確認されます。


2.4. 非適合のリスクと影響

EN 18031への非適合は、法的リスクにとどまらず、企業の競争力と市場地位に深刻な影響を与えます。欧州市場からの排除により、売上機会の喪失、サプライチェーンからの除外、パートナー企業との関係悪化などの連鎖的な影響が生じる可能性があります。 また、サイバーセキュリティ要件への対応の遅れは、企業の技術力や品質管理体制に対する市場の信頼を損なう要因ともなります。特に、セキュリティが重視される産業分野においては、認証取得の有無が調達の前提条件となるケースが増加しています。


3. EN 18031認証取得のプロセスとパートナー選び


EN 18031認証取得のプロセスとパートナー選び


EN 18031への適合は、技術的な複雑さと法的要件の厳格さにより、専門的な知識と経験を持つパートナーとの協力が
不可欠です。効率的で確実な認証取得のため、体系的なアプローチが求められます。



3.1. 認証取得の基本プロセス

EN 18031への適合認証は、初期診断から最終的なノーティファイドボディへの申請まで、段階的なプロセスを経て進められます。


プロセス段階 実施内容 主なアウトプット
規格適合性の初期診断 製品が EN 18031の対象範囲に含まれるかの判定/
無線機能、ネットワーク接続性、データ処理能力等の分析
・対象性判定結果
・無料スコープ診断レポート
・規格要件との対応関係の明確化
包括的なギャップ分析 現在の実装状況と規格要求事項との差異を特定/
追加すべき機能や修正要素の明確化
・ギャップ分析レポート
・製品改修計画
・開発スケジュールの基礎
適合試験の実施 規格準拠環境での製品セキュリティ性能評価
(攻撃耐性検証、脆弱性確認等)の実施
・詳細な試験結果レポート
・セキュリティ機能動作確認書
・技術文書/作成用データ
ノーティファイドボディ(NB)への申請 技術文書、試験結果、適合宣言書等の整備/
NB による書類審査と最終認証
・適合証明書
・CEマーキング取得資格
・EU 市場での販売許可

3.2. パートナー選定の重要な判断基準

EN 18031認証の成功は、技術的専門性と実践的サポート能力を兼ね備えた適切なパートナーの選択に大きく依存します。


判断基準 重要性 確認すべきポイント
技術的専門性と
日本語対応能力
規格の正確な理解と適用に不可欠 ・複雑な規格要件を日本語で分かりやすく説明できる専門家の存在
・規格条文の解釈、試験方法の選択、技術文書作成の支援能力
・実践的な解決策を提案できる技術力
グローバルな情報収集力
と最新動向への対応
規制環境の変化への迅速な対応 ・欧州拠点からの最新情報をタイムリーに入手できる情報ネットワーク
・規制の変更、試験方法の更新、認証プロセス改定への対応力
・競合他社動向や市場情報の提供能力
国内試験環境の整備状況 プロジェクトの効率性
と確実性を左右
・製品の輸出手続きが不要な国内試験環境の有無
・問題発見時の迅速な対応と改修・再試験のスピード
・輸送コストとスケジュール管理の負担軽減


4. インターテックジャパンのREDサイバーセキュリティ要件適合支援サービス


インターテックジャパンでは、REDサイバーセキュリティ要件への適合を包括的にサポートする専門サービスを提供しています。豊富な経験と技術的専門性を活かし、お客様の製品が確実に要件を満たすよう支援します。


4.1. 包括的な適合支援プロセス

お客様の製品特性と事業要件に応じて、最適な認証取得戦略を策定し、プロジェクト全体をサポートします。技術的な課題の特定から解決策の実装、試験の実施、認証機関との調整まで、ワンストップでのサービス提供により、お客様の負担を最小限に抑えます。 特に、EN 18031の複雑な技術要件を日本語で分かりやすく説明し、実装上の課題に対して実践的なソリューションを提案することで、確実で効率的な適合プロセスを実現します。


4.2. グローバルネットワークを活用した最新情報提供

インターテックのグローバルネットワークを通じて、欧州の最新規制動向、技術基準の更新情報、認証プロセスの変更などをタイムリーに入手し、お客様に提供します。これにより、規制環境の変化に迅速に対応し、認証取得の確実性を高めることができます。 また、欧州各国での市場動向、競合他社の対応状況、ビジネス機会の分析などの情報も提供し、お客様の戦略的意思決定をサポートします。


【インターテックジャパンに依頼するメリット】

・専門家によるサポート
REDのサイバーセキュリティ要件に関する専門家が、製品開発から市場投入までをサポートします。

・ワンストップソリューション
REDに求められる安全性、EMC、無線試験に加えて、
サイバーセキュリティ要件にもワンストップで対応します。

・国内での試験実施
国内の試験施設で試験を実施でき、輸送時間やコストを削減できます
(※製品種別・試験内容により国内対応不可の場合あり)。


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5. REDのサイバーセキュリティ要件への対応で欧州市場を守る


REDサイバーセキュリティ要件への適合は、単なる規制遵守を超えて、企業の競争力強化と持続的成長を実現するための戦略的投資です。

2025年8月1日から義務化されたREDサイバーセキュリティ要件は、EU市場における無線機器ビジネスの新たなスタンダードとなりました。
EN 18031規格への適合は、法的リスクの回避だけでなく、製品の信頼性向上、顧客からの信頼獲得、サイバーリスク
からの保護という多面的な価値を提供します。

適合への取り組みは、製品の技術的優位性を証明し、セキュリティを重視する市場での差別化要因となります。
特に、産業用IoT、スマートホーム、ヘルスケア機器など、セキュリティが重視される分野では、EN 18031適合が事実上の参入要件となりつつあります。

規制を遵守することは、市場での販売継続を保証するだけでなく、製品の信頼性を高め、サイバーリスクから顧客を
守るための重要な経営戦略です。
早期の対応により、市場での先行者利益を獲得し、長期的な競争優位性を確立することが可能になります。

インターテックジャパンは、REDサイバーセキュリティ要件への確実な適合を通じて、お客様の欧州市場での成功を
全力でサポートいたします。
EN 18031適合性評価、無料相談、認証取得支援に関するお問い合わせは、以下よりお気軽にご連絡ください。



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SEMI規格とは?半導体製造業界を支える国際標準の基礎知識

SEMI規格とは?半導体製造業界を支える国際標準の基礎知識

急速に進化する半導体産業において、製品の安全性、
品質、互換性を確保するために不可欠となっているのが「SEMI規格」です。 この国際標準は、世界中の半導体製造装置メーカーや材料メーカーが共通の基準で開発・
製造・取引を行うための重要な枠組みを提供しています。

本記事では、SEMI規格の背景と目的から、主要な分類、そして現代の半導体製造業界でなぜこの規格への準拠が必要不可欠なのかなどを解説します。
最後まで読んで、SEMI規格への適切な対応戦略を立て、グローバル市場での競争力強化につなげるための具体的な知見を得ましょう。




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1. SEMI規格とは?半導体製造業界の国際標準を策定する組織と活動


半導体製造業界における技術革新の速度は目覚ましく、それに伴い製造装置や材料の標準化の必要性が高まっています。
この課題に対応するために設立されたのが、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)という
国際的な業界団体です。


1.1. SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)とは

SEMIは、半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置・材料業界のグローバルな業界団体として、
1970年に設立されました。現在では世界中から2,000社以上の企業が参加し、100万人以上の業界専門家が活動に参画
する国際組織として発展しています。北米、ヨーロッパ、中国、日本、韓国、東南アジアに拠点を設置し、参加者の多くがボランティアベースで規格策定に貢献しているのが特徴です。
SEMIは単なる標準化団体にとどまらず、業界全体の技術革新促進、人材育成、市場発展のためのプラットフォームとしても機能しています。


1.2. SEMI規格が生まれる背景と目的

SEMI規格の策定には、半導体産業特有の課題と要求が深く関係しています。


1.2.1. 効率化の実現

半導体製造プロセスの標準化により、生産性向上と統一された手順・仕様による効率的な製造を実現します。
また、標準化によるスケールメリットの活用でコスト削減を図り、一貫した基準による製品品質の向上を可能にします。


1.2.2. 互換性の確保

装置と装置、装置と材料間の相互運用性を確保することで、異なるメーカーの装置を組み合わせた最適な生産システムの構築が可能になります。これにより、サプライチェーンの最適化や部品・材料調達の効率化が実現し、共通基盤上での新技術の迅速な展開も促進されます。


1.2.3. 安全性の向上

製造環境における包括的な安全性確保として、人間工学に基づいた安全な作業環境の構築、火災・爆発・化学物質漏洩等のリスク軽減、そして排気・廃棄物管理・エネルギー効率化による環境負荷低減を推進します。


1.2.4. 技術革新への対応

急速に進歩する半導体技術に対応するため、最新技術の業界共通基準を迅速に策定し、グローバルな技術開発の基盤を提供します。さらに、ベストプラクティスの業界全体への普及により、知識共有を推進しています。


1.3. SEMI規格の国際標準としての位置づけ

SEMI規格は、法的拘束力を持つ強制規格ではありませんが、業界関係者の合意に基づいて策定される任意規格として、事実上の国際標準として広く採用されています。主要な半導体メーカーが調達要件として採用することで実質的な必須要件となっており、世界中の半導体製造拠点で共通に採用されています。また、技術進歩に応じた定期的な見直しと改訂により、常に最新の技術動向に対応した内容が維持されています。


2. SEMI規格の主要な分類と具体的な内容


SEMI規格は、半導体製造の様々な側面をカバーする包括的な標準体系として構成されています。現在、400以上の規格が策定されており、その内容は製造装置の安全性から最新のサイバーセキュリティまで多岐にわたります。


2.1. 基本安全規格

【SEMI S2】

半導体製造装置の環境、健康、安全に関する最も包括的なガイドラインです。化学物質の取り扱いから電気的安全、
機械的危険防止、火災・爆発対策、地震対策、品質管理まで、製造装置に関わる幅広い安全側面を統合的にカバーしています。

【SEMI S6】

半導体製造装置の排気換気システムに関するガイドライン 有害ガスや蒸気の適切な排出管理と換気システムの設計・
設置・保守要件を定め、環境負荷軽減と作業者の健康保護を実現します。

【SEMI S8】

半導体製造装置の人間工学(エルゴノミクス)に関するガイドライン 作業者の快適性と安全な操作性を確保するため、人間工学に基づいた装置設計要件と操作インターフェースの最適化指針を提供します。

【SEMI S14】

半導体製造装置の火災リスク軽減に関するガイドライン 火災リスクアセスメントの実施方法と火災防止策・被害軽減措置を定め、緊急時対応システムの構築要件を規定しています。


2.2. サイバーセキュリティ関連規格

【SEMI E169】

装置情報システムセキュリティの標準 製造装置のサイバーセキュリティ基本要件とセキュリティリスクアセスメント
手法を定め、セキュリティ管理体制の構築指針を提供します。

【SEMI E187】

ファブ設備(半導体製造装置)のサイバーセキュリティ標準(データ保護) 機密データの保護と管理手法を規定し、
アクセス制御システムの要件とデータ漏洩防止対策を定めています。

【SEMI E188】

工場システムでのマルウェア感染防止 マルウェア対策システムの導入要件と感染予防・検知システムの構築、および
インシデント対応手順を規定しています。


2.4. 電力品質・信頼性規格

【SEMI F47】

半導体製造装置の瞬時電圧低下(瞬停)耐性に関するガイドラインで、電圧サグに対する装置の耐性要件を定め、電力品質の維持と製造継続性の確保、装置の電力トラブル対応能力の評価手法を規定しています。


SEMI F47とは?半導体製造装置に求められる電圧降下耐性

2.5. 省エネ・環境配慮規格

【SEMI S22】

半導体製造装置の電気設計のための安全に関するガイドラインで、電気的安全性確保と省エネルギー設計の両立を図るための包括的な要件を定めています。

【SEMI S23】

半導体製造装置におけるエネルギー、ユーティリティ、材料の保全に関するガイドライン 製造装置の環境負荷軽減と
資源使用量の最適化を目的とした技術指針を提供しています。


2.6. その他の重要規格分野

  • ・ウェーハ関連規格:ウェーハの寸法、品質、取り扱いに関する仕様
  • ・データ通信規格:SECS/GEM(装置間通信プロトコル)
  • ・トレーサビリティ規格:製造履歴の管理と追跡可能性
  • ・材料規格:半導体製造用化学薬品、ガス、材料の品質基準

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3. なぜSEMI規格への準拠が重要なのか


なぜSEMI規格への準拠が重要なのか


現代の半導体製造業界において、SEMI規格への準拠は単なる選択肢ではなく、持続的な事業成長と市場競争力確保の
ための必須要件となっています。


3.1. 製造プロセスの効率化と品質維持

SEMI規格への準拠により、製造現場では以下の具体的な効果が実現されます。


3.1.1. 装置間の相互運用性向上

統一されたインターフェースにより、異なるメーカーの装置を組み合わせた最適な製造ライン構築が可能になります。装置間でのシームレスなデータ交換と統合管理によりデータ互換性が確保され、標準化された部品と手順による効率的なメンテナンスにより保守性も向上します。


3.1.2. 製造ライン全体の安定稼働

規格適合装置による一貫した製造品質により予測可能な性能を実現し、標準化された故障予防と迅速な復旧手順によりダウンタイムを削減します。さらに、最適化されたプロセスフローによる歩留まり向上により、生産性の最大化を図ることができます。


3.2. 安全性の確保とリスク管理

半導体製造環境では、多様な安全リスクが存在するため、SEMI規格による包括的な安全管理が不可欠です。


3.2.1. 作業者の安全確保

有害物質の適切な取り扱いと曝露防止による化学物質の安全管理、作業負荷軽減と作業環境の最適化のための人間工学的配慮、そして事故・災害時の迅速で適切な対応手順としての緊急時対応体制の整備が重要です。


3.2.2. 装置・施設の安全性向上

リスクアセスメントに基づく予防措置による火災・爆発防止、感電・漏電事故の防止と保護システムによる電気的安全の確保、そして排気・廃棄物処理の適切な管理による環境汚染リスクの軽減を実現します。


3.3. サプライチェーン全体の円滑化

グローバルな半導体サプライチェーンにおいて、SEMI規格は以下の価値を提供します。

3.3.1. 国際取引の効率化

世界共通の技術仕様により、明確なコミュニケーションが可能になる共通言語を提供します。一貫した品質基準による信頼性確保により品質保証の標準化が実現し、標準仕様による迅速な製品選定と調達により調達プロセスの効率化が図られます。


3.3.2. パートナーシップの強化

規格準拠による技術的な互換性保証により技術適合性が確保され、信頼できる品質基準による持続的取引関係により
長期的関係構築が可能になります。また、国際標準への適合により新規市場参入の促進も実現できます。


3.4. グローバル市場での競争力と信頼性

SEMI規格への適合は、企業の市場での差別化要素として機能し、国際的な信頼性確保により持続的な競争優位性を構築する重要な手段となります。


3.4.1. 主要顧客からの要求対応

現代の半導体製造では、主要な半導体メーカーがSEMI規格適合を調達要件として設定するケースが増加しています。
規格適合による競合他社との明確な差別化要素として機能し、大型プロジェクトへの参画機会確保のための入札資格となります。さらに、高品質・高信頼性製品としての市場認知によりブランド価値の向上を実現します。


3.4.2. 新興技術への対応力

最新規格への準拠による先端技術への対応により技術革新への適応が可能になり、標準化された基盤上での迅速な技術展開により市場変化への柔軟性を確保します。また、規格準拠による長期的な競争優位性確保により持続的成長基盤を構築できます。


3.5. 法規制との関連性

SEMI規格は直接的な法規制ではありませんが、各国・地域の安全規制の要求水準をクリアする指針としてベストプラクティスを提供し、グローバルな法規制動向との整合性確保により国際整合性を実現します。
また、将来の法規制強化への先行対応として予防的コンプライアンスの役割も果たしています。


4. インターテックジャパンのSEMI規格評価支援サービス


インターテックジャパンは、半導体製造装置業界における豊富な実績と専門知識を活かし、SEMI規格への適合性評価と認証取得支援において業界をリードするサービスを提供しています。


4.1. 米国Intertek GS3との強力なパートナーシップ

インターテックジャパンは、米国のIntertek GS3(Global Semiconductor Safety Services)との緊密な連携により、
世界最高水準のSEMI規格評価サービスを提供しています。

1,000台以上の半導体製造装置評価実績を持ち、SEMIガイドラインに完全準拠した評価プロセスを実施しています。
世界中の主要半導体メーカーで受け入れられる評価レポートを提供し、最新のSEMI規格改訂への迅速な対応により継続的な技術更新を行っています。


4.2. 包括的なSEMI規格対応能力

前工程から後工程まで、半導体製造の全工程における装置評価に対応しています。


安全性評価サービス:


  • ・SEMI S2適合評価:包括的装置安全評価と詳細なリスク査定
  • ・SEMI S6評価:排気換気システムの評価と最適化提案
  • ・SEMI S8適合確認:人間工学エンジニアリング評価とSESC(Supplier Ergonomic Success Criteria)チェックリスト対応
  • ・SEMI S14評価:火災リスクアセスメントと軽減策の包括的評価

電力品質・信頼性評価:


  • SEMI F47試験:電圧サグ耐性評価のための専用試験器を保有

4.3. 最先端の測定機材と試験設備

SEMI規格評価に必要な以下のような専門機材を完備しています。


  • ・サグ試験器(SEMI F47対応):精密な電圧降下シミュレーション
  • ・トレーサーガスモニター(SEMI S6対応):排気効率の正確な測定
  • ・安全性評価設備:包括的な安全性試験のための多様な測定機器


【インターテックジャパンに依頼するメリット】

・世界的な信頼性と認知度
世界の主要半導体メーカーでインターテックの評価レポートが広く受け入れられています。

・効率的な評価プロセス
ワンストップサービスで効率的に複数のSEMI規格を統合的に評価できます。

・技術的専門性とサポート
半導体製造装置に精通した専門技術者が評価を行い、
評価後の改善支援と継続的フォローアップを実施します。


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5. SEMI規格への適合が拓く半導体製造の未来


SEMI規格への適合は、企業の持続的成長と競争力確保のための戦略的投資です。
技術革新が加速する半導体業界において、最新規格への継続的な対応により、先行優位性の確保、技術的差別化、顧客信頼の獲得が可能になります。

また、SEMI規格適合は個社の利益にとどまらず、業界全体の品質標準化、サプライチェーンの効率化、持続可能な産業発展に貢献します。将来の市場変化や規制強化への事前対応として、長期的な企業価値向上とレジリエンス強化を実現する重要な取り組みといえます。

お客様の半導体製造装置事業の成功と持続的成長を、インターテックジャパンが全力でサポートいたします。

SEMI規格適合性評価、認証取得支援、最新規格動向に関するご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

業界をリードする技術専門家が、お客様の製品特性と事業戦略に最適化されたSEMI規格適合ソリューションをご提供いたします。


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測定サイト特性評価 NSIL(Normalized Site Insertion Loss)測定サービス開始

弊社では、これまでのNSA測定/SVSWR測定サービスに加え、30MHz以下の測定サイト特性評価であるNSIL測定サービスを開始

いたしました。
CISPR 11 Ed.7.0(2024)が発行され、この規格を用いてグループ2機器の放射エミッション測定を行うサイトは、CISPR16-1-4 Ed.4.2(2023)にて要求される特性評価(NSIL測定)を行う必要があります。

 

■グループ2機器とは
周波数範囲9kHz~400GHzの無線周波数エネルギーを材料処理、検査/分析目的、または電磁エネルギーの伝達のために、電磁放射、誘導および/または容量結合の形態で、意図的に発生させて使用するか、または局所的にのみ使用されるすべてのISM RF機器

 

■グループ2機器の例
マイクロ波給電UV照射機器、マイクロ波照明機器、工業用誘導加熱装置、家庭用誘導加熱調理器、誘電加熱装置、工業用マイクロ波加熱

装置、家庭用電子レンジ、超短波治療装置、マイクロ波治療装置、磁気共振造影(MRI)、医療用高周波殺菌装置、高周波外科装置、電気

溶接装置、放電加工装置、教育訓練のための実演模型(高電圧テスラ変圧器など)

 

ご不明点や詳細につきましては、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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機械指令(MD)から機械規則(MR)へ!EU市場で必須となる最新の機械安全基準

機械指令(MD)から機械規則(MR)へ!EU市場で必須となる最新の機械安全基準

EU市場への機械製品投入において、2027年1月20日に現行の機械指令(Machinery Directive:MD)が廃止され、新たな機械規則(Machinery Regulation:MR)が適用されます。
この変化は単なる法的形式の変更にとどまらず、サイバーセキュリティやAI技術への対応など、機械安全に関する全く新しい要件の導入につながります。
本記事では、現行の機械指令の要件から機械規則への変更点、そして企業が取るべき対応策まで、EU市場で成功するために必要な知識を包括的に解説します。
規制変更への適切な準備と競争優位性の確保を実現するために参考にしてください。




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1. 機械指令(MD)から機械規則(MR)へ、EUの機械安全基準の全体像


EU市場における機械製品の流通は、統一された安全基準によって厳格に管理されています。
現在はこの基準の大きな転換点にあり、企業は現行制度と新制度の両方を理解して適切に対応することが求められています。


1.1. 現行の機械指令(MD)とCEマーキングの関係

EU市場での機械販売に不可欠なCEマーキングの根拠となるのが、現行の機械指令(2006/42/EC)です。
この指令は、EU域内で販売される機械の最低限の安全要件を定め、製造者に適合性評価の実施を義務付けています。

機械指令は、EU域内の機械の安全性を確保し、自由な流通を促すための基本的な法的枠組みを提供しています。
製造者や輸入者には、製品の安全性確保と市場での自由な流通の保証という、二つの重要な責任を果たす役割が課されています。
しかし、この指令は2027年1月20日に廃止され、新たな機械規則(Machinery Regulation)が適用されることが決定されています。
この変更は、技術革新や新たな安全リスクに対応するための必然的な進化といえます。


1.2. 機械指令から機械規則への移行の必要性

現行の機械指令は2006年に策定されたもので、当時の技術水準と安全リスクを前提としています。
しかし、IoT(モノのインターネット)、人工知能、ロボティクス技術の急速な発展により、従来の安全概念では対応しきれない新しい課題が生じています。
従来の物理的な安全対策だけでは、デジタル化された機械の包括的な安全性を確保することが困難になっています。
特に深刻なのは、サイバー攻撃のリスク増大です。ネットワークに接続された産業用機械への不正侵入により、制御システムが改ざんされたり、安全機能が無効化されたりする危険性が現実のものとなっています。
従来の機械指令では、このようなサイバーセキュリティ脅威は想定されていませんでした。
機械規則は、これらの現代的な課題に対応するための包括的な安全基準として設計されています。


2. なぜ機械指令と機械規則の両方を理解する必要があるのか


企業がEU市場での競争力を維持するためには、現行制度と新制度の両方を深く理解し、段階的な対応戦略を構築することが不可欠です。


2.1. 現行の機械指令(MD)が求める適合要件

現行の機械指令では、製品が最低限の安全基準を満たしていることを証明するため、必須健康安全要求事項(Essential Health and Safety Requirements:EHSR)に適合する必要があります。

適合性評価プロセスは、主に以下の内容で構成されています。


  • リスクアセスメントの実施:機械の使用における潜在的な危険を特定し、適切な安全対策を講じることを証明する体系的な評価プロセスです。

  • 技術ファイルの作成:製品の設計、製造、安全性に関する詳細な文書を整備し、規制当局の要求に応じて提示できる状態を維持する必要があります。

  • 適合宣言書の発行:製造者が製品の法規制適合を正式に宣言し、CEマーキングを貼付するための法的根拠となる文書を作成します。

2.2. 法的拘束力の重要な違い

機械指令と機械規則の間には、法的効力において重要な違いがあります。
現行の機械指令は、EU加盟各国が国内法に転換して実施する形式を取っています。
このため、国によって解釈や運用に若干の差異が生じる可能性がありました。
一方、新しい機械規則は、EU加盟国で国内法への転換なしに直接適用される法的拘束力を持ちます。
これにより、EU域内での法的整合性と一貫性がより強化され、企業にとってはより明確で統一された規制環境が実現
されます。


3. 機械規則の主な変更点と、それに伴う対応プロセス


機械規則の主な変更点と、それに伴う対応プロセス


機械規則は、現代の技術的課題に対応するため、従来の機械指令から大幅な拡張と更新を行っています。
企業は、これらの変更点を正確に把握し、適切な対応策を講じる必要があります。


3.1. 新規則の主要な変更点

機械規則になることでの主な変更点をお伝えします。


3.1.1. サイバーセキュリティ要件の導入

機械規則における最も重要な新要素は、包括的なサイバーセキュリティ要件の導入です。
ソフトウェアやデータへの不正アクセス、改ざん防止など、機械の安全機能をサイバー攻撃から守るための具体的な
要件が新たに追加されます。
これには、セキュアな通信プロトコルの実装、アクセス制御機構の強化、ソフトウェアアップデートの安全な配信メカニズムの確立などが含まれます。
特に、産業用IoT機械や遠隔制御可能な機械においては、これらの要件への適合が事業継続の前提条件となります。


3.1.2. AI・機械学習の安全性要件

AI機能が組み込まれた機械に対しては、従来のリスクアセスメントでは捉えきれない新たな視点が求められます。
機械学習アルゴリズムの予測困難性、学習データの品質管理、AI判断の透明性とトレーサビリティの確保などが重要な要件として追加されます。


3.1.3. ノーティファイドボディ(NB)評価対象の変更

第三者機関による評価が必要な製品カテゴリーに重要な変更があります。
従来は第三者評価が義務付けられていた製品の一部が自己宣言可能になる一方で、
安全に関するAI技術を使用している製品や高度なサイバーセキュリティ機能を持つ製品など、
新たに第三者評価が義務付けられる製品カテゴリーも登場します。


3.1.4. 技術文書のデジタル化促進

取扱説明書やメンテナンス文書などの技術文書を電子形式で提供することが正式に認められます。
これにより、多言語対応の効率化や情報の更新頻度向上が可能になりますが、
同時にデジタル文書の可用性確保や長期保存に関する新たな要件も生じます。


3.2. 適合性評価プロセスの進化

機械規則では、従来の適合性評価プロセスが大幅に拡張され、新たな技術的要件に対応した評価手法が求められます。
企業は、この進化したプロセスを理解し、適切な準備を行う必要があります。


3.2.1. 拡張されたリスクアセスメント

新たな機械規則下では、従来の物理的安全性に加えて、サイバーセキュリティリスクとAI関連リスクを包含した包括的なリスクアセスメントが不可欠となります。
これには、潜在的なサイバー攻撃シナリオの分析、AI判断における誤作動リスクの評価、システム間の相互作用による複合的リスクの検討などが含まれます。
リスクアセスメントのプロセス自体も、より体系的で文書化された手法が求められます。

3.2.2. 高度化された技術文書(テクニカルファイル)

製品の安全性を示す技術文書は、新しい要件に対応してより詳細で包括的な内容が求められます。
従来の機械設計情報に加えて、サイバーセキュリティ対策の実装状況、AI機能の安全性検証結果、ソフトウェアの品質保証プロセスなどが含まれる必要があります。


3.2.3. 適合宣言とCEマーク表示の厳格化

製品が全ての関連規則に適合していることを宣言する適合宣言書は、新しい要件を反映してより詳細な内容が求められます。


4. インターテックジャパンの機械安全適合支援サービス


インターテックジャパンでは、現行の機械指令から新しい機械規則への移行期間において、企業の適合性評価を包括的にサポートする専門サービスを提供しています。


4.1. CEマーキング適合支援サービス

欧州市場に流通・販売する製品には、CEマーキング貼付が義務づけられています。
製品を欧州市場で販売する場合は、事前に関連する製品指令の要件に適合していることを証明しなければならず、
これらの指令は、欧州連合(EU)の加盟国への貿易と加盟国間の貿易を簡素化するために施行された共通規則です。

インターテックジャパンでは、機械指令を含むCEマーキングに関連する指令に対する各種サービスの提供が可能です。
経験豊富な技術者が、お客様の製品特性に応じた最適な適合性評価プロセスを設計し、効率的なCEマーキング取得を
支援します。


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4.2. 包括的な製品安全評価

電気製品(完成品)を海外に出荷する際、国ごとに製品の安全規格をクリアしていることを証明する認証書が必要になります。
弊社では、製品が各国の安全規格要求を満たしているかの評価試験を行い、認証書を発行いたします。

安全認証マークは、お客様の製品(モデル)が適用規格に準拠していること、
および実施中の工場検査制度下にあることを公的に示す証明になります。
お客様の製品が安全試験および認証を完了したことを市場に周知することにより、製品に対する信頼性を向上させる
ことが可能になります。


4.3. A2LA認定による信頼性の高いサービス

弊社は、A2LA認定試験所として、国際的に認められた品質管理体制の下で各種安全規格についてのA2LA、iLacレポート発行が可能です。この認定により、お客様は以下のメリットを享受できます:


  • 国際的な相互承認:一度の試験で複数国での要求を満たすことが可能

  • 高い技術的信頼性:厳格な品質管理基準に基づく正確な評価

  • 迅速なサービス提供:効率的なプロセスによる短期間での結果提供

機械規則への移行期間においても、最新の規制要件に対応した適切な評価サービスを継続的に提供し、
お客様のEU市場での事業継続を支援いたします。


【インターテックジャパンに依頼するメリット】

・ワンストップソリューション
機械のCEマーキング取得プロセスに必要なリスクアセスメントの評価、
適合性試験(EMC、電気安全など)をワンストップでサポートします。

・専門知識と豊富な実績
長年にわたる機械指令(MD)の適合支援で培った実績と専門知識を活かし、
新たな機械規則(MR)へのスムーズな移行を支援します。

・グローバルな対応力
世界各地に広がるネットワークを活かし、EU以外の各国の規制や認証にも対応します。

・迅速かつ効率的なプロセス
お客様の製品開発タイムラインに合わせて、迅速かつ効率的な評価・試験プロセスを提案します。

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5. 機械指令から機械規則へ、確実な対応でEU市場を勝ち抜く


機械指令から機械規則への移行は、EU市場における機械安全の概念を根本的に変革する歴史的な転換点です。
現行の機械指令への適合を確実に維持しながら、新しい機械規則への準備を段階的に進めることが、EU市場での持続的成功の鍵となります。

2027年の施行まで残された時間を有効活用し、サイバーセキュリティ対策、AI安全性評価、デジタル化対応などの
新要件への準備を計画的に実施する必要があります。
規制の変更をいち早く捉え、適切に対応することが、EU市場での競争優位性を確保する決定的な要素になります。

機械規則への対応は、コンプライアンス要件の充足にとどまらず、製品の技術的優位性と市場価値の向上にも直結します。
特に、サイバーセキュリティとAI安全性の要件は、今後のデジタル化社会において不可欠な技術要素となるため、
早期対応により将来の技術トレンドを先取りした競争力の高い製品開発が可能になります。


インターテックジャパンは、機械指令から機械規則への円滑な移行を通じて、お客様のEU市場での成功を全力でサポートいたします。

機械安全適合性評価、CEマーキング取得支援、新規制への対応戦略に関するご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
豊富な経験と最新の規制知識を活かし、お客様の製品がEU市場で確実に成功できるよう、包括的な支援サービスをご提供いたします。



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【業界必見】IEC 60601-1 第4版の全貌を短時間で押さえるオンデマンド研修

医療機器業界の皆様へ

次期国際規格・IEC 60601-1 第4版の動向をいち早くキャッチしませんか?
インターテックが開発に携わるこの最新規格について、医療機器開発に関わる方、これから参入を検討される企業様に向けて
分かりやすく解説したオンデマンド形式のセミナーをリリースいたしました。

 

▼ こんな方におすすめ

海外展開を見据えて医療機器の開発に取り組む企業様

規格改訂の動向を早期にキャッチして開発方針を見直したい方

IEC 60601-1 にこれから関わる設計・品質管理担当者

 

▼ セミナー概要

タイトル:
グローバル市場への道 ~ 未来を切り開く:IEC 60601-1 第4版の最新動向 ~

 

セミナー内容(抜粋):

・インターテック医療部門のご紹介

・IEC 60601-1 第4版の開発ロードマップと新構成

・第4版で目指される開発目標

・医療機器設計に影響する重要な変更点とは?

 

形式: オンデマンド(動画視聴)

学習時間: 約20分

受講可能期間: 開講日より2週間

受講料: 11,000円(税込)

 

▼ オンデマンド研修の特長

・スキマ時間で学べる! 1チャプターごとに区切られ、短時間でも集中学習可能
・マルチデバイス対応! スマホ・PC・タブレットからいつでも視聴OK
・何度でも再視聴OK! 繰り返し見ることで理解がより深まる
・ 補助資料付き! ダウンロード可能な資料で内容をしっかりサポート

 

▼詳細はこちら:

【新リリース・オンデマンド研修】IEC 60601-1 第4版の最新動向セミナー

▼お申込みはこちら:

ISOセミナー&研修/オンデマンド

 

お問い合わせ:インターテックアカデミー&トレーニング(03-4510-2767)

IEC 62443とは?産業用サイバーセキュリティ規格の概要

サイバーセキュリティイメージ1

製造業やエネルギー、インフラといった産業分野において、デジタル化は急速に進んでいます。

しかし、ネットワークに接続された産業用制御システム(ICS)は、サイバー攻撃のリスクに晒されており、その被害は単なる情報漏洩にとどまらず、生産停止や人命に

関わる重大な事故にもつながりかねません。

こうしたリスクに対抗するための国際的な指針となるのが、IEC 62443規格です。

本記事では、この規格の全体像から、なぜ準拠が重要なのか、そしてインターテックジャパンが提供する支援サービスについて解説します。

 

 

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1. IEC 62443とは?産業用サイバーセキュリティ規格の全体像

 

産業界のデジタル化が急速に進む中、製造業やエネルギー、インフラなどの産業用制御システム(ICS:Industrial Control Systems)に対するサイバー攻撃が深刻な脅威となっています。

このような背景から生まれたのが、IEC 62443という産業用サイバーセキュリティの国際規格です。

 

1.1. IEC 62443規格の目的

IEC 62443は、ISA(International Society of Automation:国際自動制御学会)とIEC(International Electrotechnical Commission:国際電気標準会議)によって策定された、産業オートメーション・制御システム(IACS:Industrial Automation and Control Systems)のセキュリティを確保するための包括的な国際規格です。

 

この規格の主な目的は、産業用制御システムにおけるサイバーセキュリティリスクの軽減と、システムの安全性・

可用性の確保にあります。

 

1.2.「多層防御」と「ゾーン&コンジット」の概念

IEC 62443では、効果的なセキュリティ対策を実現するために「多層防御(Defense in Depth)」の考え方を採用して

います。

これは、単一の防御策に依存するのではなく、複数のセキュリティ層を組み合わせることで、攻撃者がシステムに侵入した場合でも被害を最小限に抑える手法です。

 

また、「ゾーン&コンジット(Zone and Conduit)」モデルを導入し、システムを複数のセキュリティゾーンに分割し、それぞれのゾーン間の通信経路(コンジット)を適切に管理することで、セキュリティリスクを体系的に制御します。

 

 

2. IEC 62443規格の主要な構成要素と役割

 

IEC 62443は、産業用制御システムに関わる様々な立場の組織や個人のニーズに対応するため、4つの主要なパート

(セグメント)で構成されています。

 

2.1. 4つの主要パート(セグメント)

ここでは、各パートごとの概要をお伝えします。

 

2.1.1. IEC 62443-1:概要

規格全体の概念と基本原理を定義する部分です。用語の定義、モデル、概念などの基礎的な内容が含まれています。

 

2.1.2. IEC 62443-2:ポリシー、手順

資産所有者(Asset Owner)向けの要求事項を規定しています。サイバーセキュリティマネジメントシステム(CSMS:Cyber Security Management System)の確立、セキュリティポリシーの策定、リスクアセスメントの実施方法などが

定められています。

 

2.1.3. IEC 62443-3:システム

システムインテグレーター(System Integrator)向けの要求事項を定義しています。システム設計時のセキュリティ

要求事項、セキュリティライフサイクル、システム認証に関する内容が含まれています。

 

2.1.4. IEC 62443-4:コンポーネント

製品ベンダー(Product Vendor)向けの要求事項を規定しています。

個別のコンポーネントやデバイスに対するセキュリティ要求事項、開発プロセス、製品認証に関する内容が定められています。

 

 

2.2. 役割に応じた適用

IEC 62443では、産業用制御システムに関わる各ステークホルダー(利害関係者)の役割に応じて、適用すべき要求事項が明確に定義されています。

 

  • ・資産所有者:システムを所有・運用する組織(製造業者、電力会社など)
  • ・システムインテグレーター:システムの設計・構築・統合を行う事業者
  • ・製品ベンダー:コンポーネントや製品の開発・製造を行う事業者

 

それぞれの立場に求められる責任範囲と実施すべき対策が体系的に整理されており、関係者全体でセキュリティレベルの向上を図ることができます。

 

 

2.3. セキュリティレベル(SL)について

IEC 62443では、システムのセキュリティ要求事項を4段階のセキュリティレベル(Security Level:SL)で

定義しています。

 

  • ・ SL1:偶発的または意図しない侵害からの保護
  • ・ SL2:意図的な侵害(基本的なスキルと少ないリソースを持つ攻撃者)からの保護
  • ・ SL3:意図的な侵害(洗練されたスキルとリソースを持つ攻撃者)からの保護
  • ・ SL4:意図的な侵害(高度なスキルと豊富なリソースを持つ攻撃者)からの保護

 

このレベル分けにより、システムが直面するリスクに応じて適切なセキュリティ対策を選択・実装することが可能に

なります。

 

 

3. なぜIEC 62443への準拠が必要なのか

 

サイバーセキュリティイメージ2

 

現代の産業環境において、IEC 62443への準拠は単なる選択肢ではなく、事業継続と競争力維持のための必須要件と

なりつつあります。

 

3.1. リスク軽減と安全性の確保

産業用制御システムに対するサイバー攻撃は、単なる情報漏洩にとどまらず、生産停止、設備損傷、さらには人命に

関わる重大事故を引き起こす可能性があります。

 

IEC 62443への準拠により、これらのリスクを体系的に評価し、適切な対策を講じることで、システムの安全性と可用性を確保できます。

 

3.2. 法規制・規制要件への対応

世界各国では、重要インフラの保護を目的としたサイバーセキュリティ関連法規制が強化されています。

例えば、欧州のNIS指令(Network and Information Security Directive)や米国の重要インフラ保護政策などがあります。

 

IEC 62443への準拠は、これらの規制要件を満たすための重要な基盤となります。

 

3.3. サプライチェーンセキュリティの強化

グローバルなサプライチェーンにおいて、調達先の製品やシステムのセキュリティ信頼性は重要な選定基準となって

います。

 

IEC 62443認証を取得した製品・システムは、国際的に認められたセキュリティ基準を満たしていることが客観的に

証明されるため、サプライチェーン全体のセキュリティレベル向上に寄与します。

 

3.4. 競争力の向上と市場からの信頼獲得

IEC 62443への準拠は、組織のセキュリティに対する取り組みを市場にアピールする重要な差別化要素です。

 

特に海外展開を目指す企業にとっては、国際的に通用するセキュリティ証明として、顧客からの信頼獲得と

新規市場開拓の強力な武器となります。

 

3.5. 機能安全との関係

産業用制御システムにおいて、機能安全(Functional Safety)の達成には、システムが意図した通りに動作することが

前提となります。サイバーセキュリティは、この前提を脅かす外部要因からシステムを保護する基盤的な役割を果たします。

 

IEC 62443は、IEC 61508などの機能安全規格と密接に連携し、包括的な安全性確保を実現します。

 

 

4. インターテックジャパンのIEC 62443評価・認証サービス

 

インターテックジャパンでは、豊富な経験と専門知識を活かし、IEC 62443に関する包括的な評価・認証サービスを

提供しています。サービスの内容について詳しくお伝えします。

 

4.1. 提供サービス

インターテックジャパンの電気・電子部門では、具体的に以下のサービスを通じてお客様のIEC 62443準拠をサポートします。

 

4.1.1. 機能安全サービスとの連携

これまでの豊富な経験を活かし、IEC 61508、IEC 61511、IEC 62061、ISO 13849などの機能安全規格とIEC 62443の要求事項を統合的にサポートします。

これにより、安全性とセキュリティを両立したシステム構築が可能になります。

 

4.1.2. グローバルネットワークの活用

インターテックグループのグローバルネットワークを駆使し、世界各国の規制要件や市場動向に対応した認証サービスを提供します。

ローカルテストおよびローカル認証を目指した業務展開により、効率的かつスピーディーな認証取得を実現します。

 

4.1.3. 経験豊富なエキスパートによるサポート

各種評価試験業務に適した試験所と経験豊富なエキスパートにより、技術的な課題から認証手続きまで、お客様の

ニーズに合わせたきめ細やかなサポートを提供します。

 

 

 

【インターテックジャパンに依頼するメリット】

 

・ワンストップソリューション
評価から認証まで一貫したサービス提供により、お客様の負担を軽減します

 

・国際的な信頼性
グローバルに認められた認証機関として、世界市場で通用する認証を提供します。

 

・専門的な知識とノウハウ
産業用制御システムと機能安全の両分野における深い専門知識により、
効果的なセキュリティ対策を提案します。

 

・迅速な市場投入
豊富な経験に基づく効率的な評価プロセスにより、製品・システムの迅速な市場投入を支援します。

 

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5. IEC 62443で産業システムの未来を守る

 

産業界のデジタル変革が加速する中、IEC 62443は産業用制御システムのサイバーセキュリティを確保するための

不可欠な国際規格として位置づけられています。


IEC 62443への準拠は、以下の価値を企業にもたらします。

 

・包括的なセキュリティ対策
多層防御とゾーン&コンジットモデルによる体系的なリスク管理

 

・国際的な信頼性
グローバル市場における競争力の向上

 

・法規制対応
各国のサイバーセキュリティ関連法規制への適切な対応

 

・事業継続性
サイバー攻撃による事業中断リスクの最小化

 

・機能安全との連携
安全性とセキュリティを両立した統合的なアプローチ

 

デジタル化が不可逆的に進む産業界において、IEC 62443への準拠は競争優位性を確保し、持続可能な事業成長を実現するための戦略的投資です。早期の取り組み開始により、市場での先行者利益を獲得することができます。

 

お客様の産業用制御システムのセキュリティ強化をインターテックジャパンがサポートいたします。IEC 62443に関するご相談、評価・認証サービスについてのお問い合わせは、以下よりお気軽にご連絡ください。専門のエキスパートが、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。

 

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A2LAとは?試験機関の認定制度と信頼性向上のポイント

グローバルイメージ1

グローバル市場で製品を展開する企業にとって、試験結果の信頼性と国際的な受入性は事業成功の重要な要素です。その信頼性を保証する制度の一つが、A2LA(米国試験所認定協会)による試験機関認定制度です。

 

本記事では、A2LAの概要から認定がもたらすメリット、そして企業が信頼できる試験機関を選定する際の判断基準までを詳しく解説します。これにより、製品の品質保証と国際的な市場参入を効率的に進めるための実践的な知識を得ることができます。

 

 

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1. A2LAとは?試験・校正機関を認定するグローバルな機関

 

A2LA(The American Association for Laboratory Accreditation:米国試験所認定協会)は、試験・校正機関の技術的能力と品質管理体制を客観的に評価し、国際基準への適合性を認定する重要な機関です。

 

1.1. A2LAの定義と役割

A2LAは、米国を拠点とする非営利の独立した試験所認定機関として設立されました。この機関は、試験所、校正機関、検査機関などがISO/IEC 17025などの国際規格に準拠しているかを厳格に評価し、認定を与える役割を担っています。

 

A2LAの認定対象は、化学分析、材料試験、電気・電子機器試験、環境測定、生物学的試験など多岐にわたります。
米国国内のみならず、世界各国の試験機関がA2LA認定を取得しており、その国際的な信頼性の高さが証明されています。

 

1.2. A2LAの主要な目的

A2LAの主要な目的は、認定を通じて試験・校正・検査結果の信頼性、精度、国際的な受入性を向上させることです。

 

規格適合性評価の国際的な相互承認を促進し、貿易障壁の低減に貢献しています。これにより、製品を複数の国に輸出する際の試験の重複を避け、企業のコスト削減と市場参入の迅速化を支援しています。また、試験・校正機関の技術的能力向上を支援することで、業界全体の品質レベル向上に寄与しています。

 

1.3. 認定の基盤となる国際規格「ISO/IEC 17025」

A2LA認定の基盤となるのは、ISO/IEC 17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)という国際規格です。この規格は、試験・校正機関が信頼性の高いサービスを提供するために必要な要件を包括的に定めています。

 

ISO/IEC 17025は、マネジメントシステムと技術的能力の両面から試験機関の質を保証します。
マネジメントシステム要件では品質管理体制や文書管理を、技術的要件では人員の技能や設備の校正、測定不確かさの評価などを詳細に規定しています。

 

A2LAは、このISO/IEC 17025への適合性を厳格に審査し、基準を満たした機関に対してのみ認定を与えています。

 

 

2. なぜ試験結果の「信頼性」が重要なのか

 

現代の製品開発において、試験データの信頼性は企業の成功を左右する重要な要素となっています。
不正確な試験結果は、製品の安全性や性能に関する誤った判断を招き、深刻な事業リスクを生み出す可能性があります。

 

2.1. 製品開発と試験の役割

製品の安全性、性能、品質を保証するために、試験は不可欠な工程です。電気・電子機器であれば電気的安全性や電磁適合性、化学製品であれば毒性や環境への影響、機械製品であれば強度や耐久性など、製品特性に応じた多様な試験が実施されます。

これらの試験結果は、製品設計の妥当性確認、製造プロセスの品質管理、規制要件への適合証明、市場での競争力確保など、企業活動の様々な局面で活用されます。したがって、試験結果の信頼性は、企業の意思決定の質と事業成果に直接的な影響を与えます。

 

2.2. 試験結果の信頼性に関するリスク

試験機関の能力不足や不適切な試験方法は、試験結果の誤差や信頼性低下を招きます。具体的に起こりうるリスクを
見ていきましょう。

 

測定精度の不足により、製品の真の性能が正確に評価されない可能性があります。これは、過小評価による機会損失や、過大評価による市場でのクレーム発生につながる恐れがあります。

 

また、校正が不適切な測定器による試験では、系統的な測定誤差が生じ、製品の安全性評価に重大な影響を与える
可能性があります。さらに、品質管理体制が不十分な試験機関では、試験プロセスのばらつきにより再現性の低い結果が得られ、製品開発の効率性が阻害される場合があります。

 

2.3. 認定制度の必要性とA2LAの位置づけ

これらのリスクを回避するため、試験結果の客観的な信頼性を確保する第三者による試験機関の評価制度が求められるようになりました。認定制度は、試験機関の技術的能力と品質管理体制を国際基準に照らして評価し、その適合性を
証明する仕組みです。

A2LAは、このような認定機関の中でも世界的に認められた権威ある機関として位置づけられています。ILAC(国際試験所認定機関協力機構)のMRA(相互承認協定)に署名している認定機関として、A2LA認定の試験結果は世界各国で広く受け入れられており、グローバルビジネスにおける信頼性の証として機能しています。

 

 

3. A2LA認定がもたらすメリット:試験機関とクライアント双方へ

 

半導体製造イメージ2

 

A2LA認定は、試験機関とそのサービスを利用するクライアント企業の双方に対して、多面的なメリットを提供します。これらのメリットは、単なる品質保証にとどまらず、ビジネス競争力の向上と国際市場での成功につながる重要な価値を創出します。

 

3.1. 試験機関にとってのメリット

A2LA認定は、試験・校正能力が国際基準を満たしていることの客観的な証明となります。認定取得により、ISO/IEC 17025に基づく堅固な品質管理体制を構築し、試験プロセスの標準化と継続的改善を実現できます。

A2LA認定マークは世界中で信頼される認定の証として認識され、特にILAC MRAに基づく国際的な相互承認により、
認定の価値がグローバルに通用します。これにより顧客からの信頼を深め、新規顧客獲得の強力な差別化要素となります。

 

3.2. 試験・校正サービスを利用するクライアントにとってのメリット

試験・校正サービスを利用するクライアントにとってのメリットもお伝えします。

 

3.2.1. 試験結果の信頼性保証

A2LA認定試験所が提供する試験結果は、国際基準に適合した信頼性の高いデータとして活用できます。
これにより、誤った試験結果による製品のリコールや市場からの撤退リスクを大幅に低減し、事業継続性を
確保できます。

 

3.2.2. 国際的な相互承認による効率化

A2LAは、ILAC MRA(国際試験所認定協力機構相互承認取決め)の重要な署名機関です。
この協定により、A2LA認定試験所が発行した試験成績書は、MRA参加国の試験所間で相互に受け入れられます。
これにより、製品を複数の国に輸出する際に各国で個別に試験を実施する必要がなくなり、時間とコストを大幅に削減できます。

 

3.2.3. FDA ASCA Programへの対応

A2LA認定のもう一つの重要なメリットとして、FDA ASCA Program(FDA認定適合性評価プログラム)の認定試験所となることができる点があります。これにより、アメリカに医療機器を輸出する企業に対して審査プロセスの簡易化というメリットを提供します。

 

 

4. インターテックジャパンのA2LA認定試験所が提供する試験サービス

 

インターテックジャパンは、A2LA認定を取得した信頼性の高い試験サービスを通じて、お客様の製品品質向上と
国際市場展開を強力にサポートしています。

インターテック東京試験所は、2016年にA2LA認定を取得し、認定番号「4046.01」のもとで高品質な試験サービス
を提供しています。弊社EMC試験所および校正試験所については、A2LAと同様の効力を持つ別の認定機関
(VLAC、IA Japan、NVLAP)の認定を受けており、お客様のニーズに応じて最適な認定サービスを提供できる体制を整えています。

 

【インターテックジャパンに依頼するメリット】

 

・信頼性の高い試験データ
ISO/IEC 17025に準拠し、A2LAの厳格な審査をクリアした試験所が試験を実施するため、
信頼性の高い試験データを提供します。

 

・ワンストップソリューション
安全性、EMC、無線、RoHSなど、多岐にわたる試験・認証サービスをワンストップで提供し、
製品開発から市場投入までをサポートします。

 

・グローバルな対応力
A2LA認定に加え、CBスキーム、CEマーク、CCC認証など、世界各国の規制に対応した認証支援も
提供しており、お客様のグローバルビジネスを力強く後押しします。

 

 

5. A2LA認定試験所の活用で国際的なビジネスを加速する

 

A2LA認定試験所の戦略的活用は、企業の国際競争力強化と持続的成長の実現に直結する重要な取り組みです。

 

試験結果の信頼性確保により、製品の安全性と性能を市場に正確に伝える基盤を構築できます。A2LA認定による客観的な品質保証により、製品リコールリスクの軽減と顧客信頼の獲得を同時に実現し、国際的な相互承認システムの活用により複数国での試験重複を回避し、時間とコストの大幅な削減が可能になります。

 

さらに、認定試験所の利用は市場参入障壁の低減効果をもたらし、国際的に認められた試験結果により各国規制当局からの信頼を獲得し、審査プロセスの円滑化と承認期間の短縮を期待できます。

 

インターテックジャパンは、A2LA認定による高品質な試験サービスを通じて、お客様の国際的なビジネス成功を全力でサポートいたします。製品の安全性評価、国際認証取得、試験戦略の最適化に関するご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

 

A2LA認定試験所としての確かな技術力と豊富な経験を活かし、お客様の製品品質向上と国際市場での成功実現をサポートいたします。

 

 

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SEMI F47とは?半導体製造装置に求められる電圧降下耐性

半導体製造イメージ1

半導体製造現場において、わずかな電圧変動が装置の停止や製品品質の低下を引き起こし、甚大な損失につながることは珍しくありません。こうした課題に対処するため、
半導体業界では「SEMI F47」という電圧降下耐性に関する規格が重要視されています。

 

本記事では、SEMI F47規格の詳細から実際の試験方法、そして規格適合によるメリットなどを解説します。半導体製造装置の安定稼働を実現し、競争力の高い製品開発に
つなげるために参考にしてください。

 

 

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1. SEMI F47とは?半導体製造装置の電圧降下耐性規格

 

半導体製造プロセスにおいて、安定した電力供給は製品品質と生産効率を左右する重要な要素です。しかし、工場内の設備故障や大きな負荷変動により、突然の電圧降下(電圧サグ)が発生することがあります。このような電力トラブルから装置を保護するために策定されたのがSEMI F47規格です。

 

1.1. 半導体製造における電力安定性の重要性

半導体製造装置は、ナノメートル単位の精密な加工を行うため、わずかな電力変動でも製品の歩留まりに深刻な影響を与えます。電圧降下が発生すると、以下のような問題が生じる可能性があります。

 

  • ・プロセス条件の変動による製品品質の低下
  • ・装置の予期しない停止によるウェハの損失
  • ・製造ラインの長時間停止
  • ・装置の再立ち上げに伴う時間とコストの増大

 

1.2. SEMI F47の目的

SEMI F47は、半導体製造装置が電圧降下に対してどの程度の耐性を持つべきかを規定した国際規格です。

 

この規格により、装置メーカーは統一された基準に基づいて電圧降下耐性を設計・評価することができ、
半導体メーカーは信頼性の高い装置を選定することが可能になります。

 

1.3. SEMI規格とSEMI F47の位置づけ

SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)は、半導体および関連産業における
装置・材料の国際標準化団体です。

 

SEMI規格は、半導体製造装置の安全性、環境適合性、性能に関する包括的な基準を提供しており、その中でSEMI F47はEMC(電磁適合性)分野における重要な規格として位置づけられています。

 

SEMI規格とは?半導体製造業界を支える国際標準の基礎知識

 

1.4. 対象機器

SEMI F47の対象となる機器は以下の通りです。

 

  • ・半導体製造装置:エッチング装置、CVD装置、スパッタリング装置、イオン注入装置など
  • ・FPD製造装置:液晶・有機ELディスプレイ製造装置
  • ・精密計測機器:検査装置、測定機器
  • ・周辺装置:ガス供給装置、排ガス処理装置、搬送装置など

 

1.5. 規格適合の意義

SEMI F47への適合は、単なる技術的要件の充足にとどまらず、半導体製造装置の品質と信頼性を市場に証明する重要な指標となります。多くの半導体メーカーでは、装置調達の際にSEMI F47適合を必須要件として求めるケースが増加しています。

 

 

2. SEMI F47が求める電圧降下耐性の具体的な要件

 

SEMI F47は、特定の電圧低下シナリオに対する装置のライドスルー(Ride-Through)能力を規定しています。
ライドスルー能力とは、装置が一時的な電圧低下に耐え、正常な動作を維持する能力のことです。

 

規格では、電圧低下の「深さ(電圧降下率)」と「継続時間」の組み合わせが定められており、装置がその条件下で正常に稼働し続けることが求められます。例えば、電圧が50%に低下し、200ミリ秒継続するといった条件に対する耐性が
規定されています。

 

これらの要件を満たすためには、装置の電源ユニットや制御システムに、電圧低下を乗り切るための設計
(例:エネルギー貯蔵コンデンサの搭載など)が必要となります。

 

 

3. SEMI F47試験の内容と流れ

 

SEMI F47適合性を確認するための試験は、厳密に管理された環境下で実施され、装置の電圧降下耐性を客観的に
評価します。

 

3.1. 試験方法の概要

SEMI F47試験は、実際の半導体製造環境で発生する電圧降下を人工的に再現し、被試験装置(DUT:Device Under Test)の応答を詳細に観察・記録する試験です。試験は段階的に実施され、各電圧降下レベルでの装置の挙動を体系的に評価します。

 

3.2. 必要な試験環境と設備

必要な試験環境と設備についてお伝えします。

 

3.2.1. 電圧変動発生装置(サグジェネレーター)

試験の中核となる設備で、規格で定められた様々な電圧降下パターンを正確に生成します。
以下の性能が要求されます。

  • ・出力容量:大電流容量の大型装置にも対応可能
  • ・電圧範囲:AC 0V~最大310V程度の可変範囲
  • ・周波数範囲:50Hz/60Hzおよび各種周波数に対応
  • ・精密制御:電圧降下の深さと継続時間を精密に制御

3.2.2. 精密測定機器

装置の状態監視と応答記録のため、以下の測定機器が使用されます。

  • ・高精度電力測定器
  • ・オシロスコープ
  • ・データロガー
  • ・各種センサー(温度、振動、ガス流量など)

3.2.3. 適切な環境管理

  • ・温度・湿度の制御
  • ・電磁干渉の遮蔽
  • ・安全な試験空間の確保

 

3.3. 具体的な試験項目と手順

具体的な試験項目と試験の手順を見ていきましょう。

 

3.3.1. 事前準備

まずは、以下の事前準備が必要になります。

  • ・装置の初期状態確認:正常動作の確認と基準値の記録
  • ・試験計画の策定:装置仕様に応じた試験シーケンスの決定
  • ・安全対策の実施:緊急停止システムの確認

3.3.2. 試験実施

試験は、次の順序で行われます

  1. 1. 段階的電圧降下試験
    • ・軽微な電圧降下から開始
    • ・段階的に降下レベルを上げて実施
    • ・各段階で装置の応答を詳細に記録
  2. 2. 継続時間変更試験
    • ・同一降下レベルで継続時間を変更
    • ・装置の時間依存性を評価
  3. 3. 反復試験
    • ・重要なポイントでの再現性確認
    • ・統計的に有意なデータの取得

3.3.3. 評価・判定

試験結果は、規格で定められた判定基準に基づいて評価され、装置のカテゴリ分類が決定されます。
また、改善が必要な場合は、具体的な対策提案も含めた詳細な評価レポートが作成されます。

 

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4. SEMI F47適合のメリットと未適合のリスク

 

半導体製造イメージ2

 

SEMI F47への適合は、単なる規格要件を満たすことだけでなく、企業の競争力向上と持続的成長に直結する重要なことです。

 

4.1. 適合によるメリット

SEMI F47規格への適合は、装置メーカーにとって多面的な価値をもたらします。生産性の向上から市場での競争優位性確立まで、その効果は企業活動全体に及びます。具体的に得られるメリットを説明します。
SEMI F47への適合は、単なる規格要件を満たすことだけでなく、企業の競争力向上と持続的成長に直結する重要なことです。

 

4.1.1. 製造ラインの安定稼働と生産性向上

SEMI F47適合装置は、電圧変動に対する高い耐性を持つため、以下の効果が期待できます。

  • ・ライン停止時間の大幅削減:電圧降下による予期しない装置停止の回避
  • ・歩留まり向上:プロセス条件の安定化による製品品質の向上
  • ・計画的メンテナンス:予測可能な保守スケジュールの実現
  • ・オペレーション効率化:装置再起動時間の短縮

4.1.2. 装置の信頼性向上と企業ブランド価値の向上

規格適合により、以下のブランド価値向上効果が得られます。

  • ・技術力の証明:国際規格適合による技術的信頼性の客観的証明
  • ・品質保証:厳格な試験をクリアした製品であることの市場アピール
  • ・顧客満足度向上:安定稼働による顧客からの信頼獲得
  • ・差別化要素:競合他社との明確な差別化ポイント

4.1.3. グローバル市場における競争優位性の確立

国際規格であるSEMI F47への適合は、以下の市場競争力をもたらします。

  • ・海外市場参入の促進:国際的に認められた品質基準のクリア
  • ・大手顧客との取引機会拡大:主要半導体メーカーの調達要件充足
  • ・プレミアム価格設定:高品質製品としてのポジショニング
  • ・長期契約の獲得:信頼性に基づく継続的取引関係の構築

4.2. 未適合がもたらすリスク

一方、SEMI F47への未適合は、企業に深刻な経営リスクをもたらします。技術的な問題から事業継続性の危機まで、
その影響は多岐にわたります。

 

4.2.1. 頻繁なライン停止による生産性低下

SEMI F47未適合装置では、以下の生産性リスクが顕在化します。

  • ・計画外停止の多発:電圧変動による予期しない装置停止
  • ・復旧時間の長期化:装置再立ち上げに要する時間とコスト
  • ・生産計画の狂い:納期遅延や生産能力不足の発生
  • ・人的リソースの浪費:トラブル対応による技術者の工数圧迫

4.2.2. 装置の損傷や寿命短縮

電圧変動に対する耐性不足は、以下の技術的リスクを招きます。

  • ・電気部品の劣化加速:反復的な電圧ストレスによる部品寿命短縮
  • ・制御システムの不安定化:予期しない動作による制御精度低下
  • ・メンテナンスコスト増大:頻繁な部品交換や修理の必要性
  • ・装置全体の早期更新:予定よりも早い装置更新の必要性

4.2.3. 製品の品質低下、不良品の発生

プロセス装置の不安定動作は、以下の品質リスクを引き起こします。

  • ・プロセス条件の変動:電圧変動によるプロセスパラメータの不安定化
  • ・製品特性のばらつき拡大:品質の一貫性確保困難
  • ・歩留まりの低下:不良品発生率の増加

4.2.4. 顧客からのクレーム、契約不履行、法的・事業リスク

市場での信用失墜は、以下の深刻な事業リスクにつながります。

  • ・顧客との契約解除:品質問題による取引停止
  • ・賠償責任の発生:製品不良による損害賠償請求製品特性のばらつき拡大:品質の一貫性確保困難
  • ・新規受注機会の喪失:市場での評判悪化による営業機会減少
  • ・企業価値の毀損:ブランドイメージの低下と株価への影響

 

 

5. インターテックジャパンが提供するSEMI F47試験サービス

 

インターテックジャパンでは、豊富な実績と最先端の設備を活用し、SEMI F47規格に関する包括的な評価試験サービスを提供しています。そのサービスの特長を簡単に説明します。

 

5.1. 米国Intertek GS3との強力なタイアップ

インターテックジャパンは、米国のIntertek GS3(Global Semiconductor Safety Services)との緊密な連携により、
豊富な実績および高い品質でサービスを提供しています。

 

  • ・豊富な評価実績:1,000台以上の半導体製造装置評価実績
  • ・グローバル品質基準:世界最高水準の試験・評価技術

 

5.2. 最先端の測定機材と設備

SEMI F47試験に必要な専用機材を完備しています。

 

  • ・サグ試験器(SEMI F47対応):精密な電圧降下シミュレーション
  • ・大容量対応:様々な規模の装置に対応可能
  • ・高精度測定:正確で再現性の高い試験結果の提供
  • ・完全な環境制御:信頼性の高い試験環境の確保

 

5.3. 包括的な評価サービス範囲

前工程から後工程まで、幅広い半導体製造装置に対応します。

 

  • ・プロセス装置:エッチング、成膜、注入、露光装置など
  • ・検査・測定装置:品質管理・計測機器
  • ・搬送・周辺装置:自動化システム、ユーティリティ装置
  • ・関連機器:排ガス処理、ガス供給システムなど

 

【インターテックジャパンに依頼するメリット】

 

・正確かつ信頼性の高い試験
SEMI F47試験に特化した専用設備(サグジェネレーターなど)と、豊富な経験を持つ技術者が、
規格の要件に基づいた正確な試験を実施します。

 

・ワンストップソリューション
SEMI F47試験に加えて、製品安全、EMC、機能安全など、半導体製造装置に求められる
多様な評価・認証サービスをワンストップで提供します。

 

・グローバルな対応力
世界各地に広がるネットワークを活かし、お客様のグローバルなビジネス展開を支援します。

 

・効率的な試験プロセス
お客様のニーズに合わせて、効率的でスピーディーな試験プロセスを提案し、製品開発の
タイムラインをサポートします。

 

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6. SEMI F47適合で半導体製造装置のレジリエンスを高める

 

半導体産業を取り巻く環境が急速に変化する中、製造装置の電圧降下耐性は単なる技術仕様を超えて、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。

現代の半導体製造において、SEMI F47への適合は以下の戦略的価値を提供します。

 

・事業継続性の確保
予期しない電力トラブルからの迅速な回復

 

・品質競争力の向上
安定したプロセス条件による高品質製品の実現

 

・コスト競争力の強化
計画外停止コストの削減と生産効率の最大化

 

・市場競争力の獲得
国際規格適合による差別化とブランド価値向上

 

SEMI F47への適合は、短期的なコストではなく、長期的な成長と競争力確保のための戦略的投資として捉えるべきです。規格適合により得られる信頼性と品質は、顧客との長期的なパートナーシップ構築と市場での確固たる地位確立につながります。

 

お客様の半導体製造装置の競争力向上を、インターテックジャパンが全力でサポートいたします。

 

SEMI F47試験に関するご相談、お見積もり、技術的なお問い合わせは、以下よりお気軽にご連絡ください。
経験豊富な技術エキスパートが、お客様の装置特性に最適化された試験プログラムと改善提案をご提供いたします。

 

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電波法におけるイミュニティ試験設備の設置許可について

令和7年6月27日、総務省より総基環第136号(各種イミュニティ試験設備の電波法における扱いについて)が通知されました。

イミュニティ試験に使用される高周波(RF)出力を持つ設備が、周波数10kHz以上かつ高周波出力50Wを超える場合、電波法で定める「高周波利用設備」に該当し、設置には管轄の総合通信局への許可申請が必要です。

 

【定義】

電波法第100条において、通信以外の目的で10kHz以上の高周波電流を利用する設備が「高周波利用設備」と定められています。

イミュニティ試験用設備のうち、10kHz以上の周波数で高周波出力が50Wを超えるものは、この設備に該当します。

 

【申請】

電波法施行規則第45条第3号の規定に基づき、高周波出力50Wを超える高周波利用設備を設置するには、設置許可が必要です。

設備を設置する場所を管轄する総合通信局(または総合通信事務所)へ申請を行います。

 

■通知文書

https://www.soumu.go.jp/main_content/001017926.pdf

■設置申請手続き/書類

https://www.soumu.go.jp/soutsu/kanto/other/koshuha/dl/dl-setti/

■総合通信局等の管轄地域と所在地

https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/other/commtab1/index.htm

 

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電気用品安全法とは?対象製品やPSEマークの基礎知識

日本市場で電気製品を製造や販売する企業にとって、遵守が不可欠な法律「電気用品安全法」。この法律の基本を理解することは、円滑な市場参入と消費者の安全確保に直結します。

 

本記事では、電気用品安全法の概要から、対象となる

製品、事業者の義務、そしてPSEマークの役割までを

解説します。

 

 

 

1. 電気用品安全法(電安法)とは?

 

電気用品安全法は、電気製品による火災や感電といった危険・障害の発生を防止することを目的とした法律です。

この法律は、電気用品の安全性を確保するために、事業者による自主的な活動の促進を基本としており、製品の製造・輸入・販売を行うすべての事業者に適用されます。

 

電気用品安全法で定められる「電気用品」は、その危険性の度合いに応じて以下の2つの区分に分けられます。

 

特定電気用品(ひし形PSEマーク) 材料の加熱用試験装置
構造や使用状況から見て、危険や障害が発生する恐れが高いと認められる116品目が指定されています。
電気温水器、電熱式・電動式おもちゃ、電気ポンプ、電気マッサージ器、自動販売機、直流電源装置など
全116品目

 

特定電気用品以外の電気用品(丸形PSEマーク)
特定電気用品以外の電気用品として、341品目が指定されています。
電気こたつ、電気がま、電気冷蔵庫、電気歯ブラシ、電気かみそり、白熱電灯器具、電気スタンド、
テレビジョン受信機、音響機器、リチウムイオン蓄電池など全341品目

 

特定電気用品に該当する製品を日本国内で製造または輸入する事業者は、第三者機関(登録検査機関)の適合性検査によるダブルチェックを受けることが義務付けられています。

 

 

2. 電気用品安全法の重要性

 

電気用品安全法は、単なる法規制ではなく、消費者の安全と企業の信頼を確保するために極めて重要な役割を

果たします。この法律に適合した製品を提供することは、火災や感電事故を未然に防ぐことにつながります。

 

日本市場で電気用品を販売するためには、この法律の要件を満たすことが必須であり、違反した場合は製品の販売が

禁止されるなど、事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

消費者は、特定電気用品のひし形PSEマーク、それ以外の電気用品の丸形PSEマークを通じて製品の安全性を判断するため、PSEマークは信頼の証とも言えます。

 

 

3. PSEマークとは?その種類と表示義務

 

PSEマークとは、製品が電気用品安全法で定められた技術基準に適合していることを示す安全の証です。このマークが表示されていない電気用品は、原則として日本国内での製造、輸入、販売が禁止されています。

 

お伝えしたとおり、PSEマークには、特定電気用品かそれ以外の電気用品かによって異なる2種類のものがあります。

 

● ひし形PSEマーク
ひし形PSCマーク

 

特定電気用品に表示。第三者機関による適合性検査を経て、高い安全基準を満たしていることを示します。

 

● 丸形PSEマーク
丸形PSEマーク

 

特定電気用品以外の電気用品に表示。事業者の自己確認によって技術基準への適合が確認されたことを示します。

 

PSEマークの表示には、マークの他に「事業者名」や「定格電圧」などの情報も記載する義務があります。

これらの表示が不十分な場合や、不正に表示した場合は罰則の対象となります。

 

引用: 電気用品安全法|経済産業省

 

 

4. 事業者が遵守すべき電気用品安全法の義務と手続き

 

事業者が遵守すべき電気用品安全法の義務と手続き

 

電気用品の製造・輸入・販売を行う事業者は、それぞれ以下の義務と手続きを遵守しなければなりません。

 

4.1. 製造・輸入事業者の義務と手続き

事業開始の届出
電気用品の製造または輸入を開始する事業者は、事業開始から30日以内に経済産業大臣に届け出る義務が
あります。 輸入事業者のうち、海外事業者(特定輸入事業者)は、国内管理人を選任する必要があります。

 

技術基準適合義務
製造・輸入する電気用品が、法律で定められた技術基準に適合していることを確認しなければなりません。

 

自主検査の実施と記録の作成・保存
製品の安全性に関する自主検査を実施し、その記録を3年間保存する義務があります。

 

特定電気用品における適合性検査の受検と証明書取得
特定電気用品の場合、国の登録検査機関による適合性検査を受け、適合証明書を取得し、これを保存する必要
があります。

 

4.2. 販売事業者の義務

販売事業者は、電気用品安全法の規定に基づきPSEマークの付されたものでなければ、電気用品を販売し又は販売の

目的で陳列してはならないとされています。PSEマークがない電気用品や、表示が不適切な電気用品は販売してはなりません。

 

 

5. もしもの時に備える違反と罰則

 

電気用品安全法の義務を怠った場合、事業者は以下のようなリスクに直面します。

 

行政命令
技術基準に不適合な製品に対して、製造・輸入届出事業者や国内管理人、販売事業者に対して「報告の徴収」や「立入検査」などを行い、更に、これらの報告の徴収の結果などを踏まえ、製造・輸入届出事業者や販売事業者に対して「改善命令」や「危険等防止命令」などが出されることがあります。

 

刑事罰
法律に基づく報告徴収や立入検査、命令などに従わない場合には罰則が適用されます。法律違反の程度に
よっては、最高で「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方」が科せられる場合があります(法人に対しては1億円以下の罰金が適用されることもあります)。

 

 

6. インターテックジャパンが電気用品安全法への適合を強力にサポート

 

電気用品安全法への適合は、多くの事業者にとって複雑で専門的な知識が求められるプロセスです。

インターテックジャパンは、電気・電子製品の評価試験および認証サービスを通じて、お客様のスムーズな市場参入を支援します。

 

6.1. 経済産業省登録検査機関としての信頼性

インターテックジャパンは、経済産業省に正式に登録された検査機関として、 特定電気用品の適合性検査を実施する

権限を有しています。

国際的に認められた試験・認証機関であるインターテックグループの一員として、以下のサービスを提供しています。

 

  • ・特定電気用品の適合性検査:法的要件を満たす公式な適合証明書の発行 *1
  • ・術基準適合確認:製品が電気用品安全法の技術基準に適合していることの確認
  • ・PSEマーク取得支援:適切なPSEマーク表示のためのガイダンス
  • ・継続的コンプライアンス支援:法改正への対応と継続的な適合維持

*1: 交流用電気機械器具に限る

 

6.2. 包括的な試験・評価能力

インターテックグループの最先端の試験設備と経験豊富な技術者により、電気用品安全法で求められる幅広い試験項目に対応します:

 

  • ・電気的安全性試験:絶縁耐力、接地連続性、漏れ電流測定
  • ・機械的強度試験:耐久性、衝撃試験、材料強度評価 等

 

6.3. グローバル対応力とローカルサポート

インターテックグループの世界的ネットワークを活用しながら、日本市場特有の要求事項にも精通したサービスを提供します。

 

  • ・多国間認証対応:日本の電気用品安全法と海外規格の同時取得支援
  • ・現地サポート体制:日本国内での迅速な対応
  • ・法規制情報の提供:最新の法改正情報

 

【インターテックジャパンに依頼するメリット】

 

迅速な市場投入
世界各地に展開する試験所ネットワークと経験豊富なエキスパートが、お客様の製品が法律の要件を
満たしているか、迅速かつ正確に評価します。
これにより、製品をスピーディーに市場へ送り出すことが可能になります。

 

ワンストップソリューション
電気用品安全法への対応に加え、グローバルな認証(CE、FCC、IECなど)にも対応できるため、
複数の国や地域での製品展開も一貫してサポートします。

 

信頼性
インターテックジャパンは経済産業省に登録された検査機関であり、特定電気用品の適合性検査も
実施可能です。 国際的に認められた信頼性の高いサービスを提供します。

 

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7. 電気用品安全法を理解し、安全な製品提供を

 

電気用品安全法は、消費者の安全を守るための重要な法律です。 事業者は、認証取得後も常に法律の改訂を監視し、

新たな要件を遵守し続ける必要があります。

 

インターテックジャパンは、お客様が電気用品安全法を遵守し、安全で信頼性の高い製品を市場に提供できるよう、

専門的な知識とサービスで強力にサポートいたします。 PSEマークの取得や適合性確認プロセスに不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。

 

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