現在実施中!お得なキャンペーンのご案内

ただいま、EMC試験や認証サポートに関する2つの特別キャンペーンを実施中です。
期間限定・初回限定の内容もございますので、この機会をお見逃しなく!


キャンペーン①

EMC対策・プリチェック試験限定《半額キャンペーン》

本番前の事前対策に最適!
対策検討・プリチェックを目的としたEMC試験が、基本料金・オプション料金ともに半額になる期間限定キャンペーンを実施中です。

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キャンペーン概要

  • 対象期間:2025年7月17日〜10月31日受付分

  • 予約受付:試験日の2週間前から(本予約のみ/仮予約不可)

  • 対象時間:9:00~17:00の試験(※時間外・休日は通常料金)

  • 対象内容:対策検討・プリチェック目的の試験限定(※レポート発行目的は対象外)

  • 対象試験所:鹿島・松田・長野・栃木

  • 担当:試験オペレーションはすべて当社エンジニアが対応

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キャンペーン②

IEC 62368-1/CB・ETL認証《無料技術相談キャンペーン》

製品の安全認証に不安はありませんか?
情報通信機器・AV機器に関するIEC 62368-1/UL/CSA規格に対応した認証(CB・ETLなど)について、
専門エンジニアによる無料技術相談(1回限定)を実施中です!

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キャンペーン概要

  • 対象期間:2025年8月31日(日)までのお申し込み分

  • 対象者:初回ご相談の方限定(※過去に技術相談をご利用の方は対象外)

  • 対応範囲:CB認証、ETL認証(UL/CSA)、試験準備、対象規格の適合確認など

  • 実施方法:オンラインまたは対面(日時は個別調整)

「どの規格に該当するの?」「試験準備に必要なことは?」といった初歩的なご相談から対応可能です!

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 ご不明点はお気軽にお問い合わせください

各試験の詳細やスケジュールのご相談も承っております。
専門スタッフが丁寧に対応いたします。

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【無料ウェビナー】EU機械指令から「機械規則」へ――変更点と製造業者への影響をわかりやすく解説!

EUで機械指令が「機械規則(Machinery Regulation)」へと改訂されたことをご存じですか?
本ウェビナーシリーズ Part1 では、この重要な制度変更について、実務担当者が押さえるべき要点を解説します。

注目ポイント:

 ・なぜ今、機械指令が改訂されたのか?
 ・新しい附属書Ⅰの内容と実務上の留意点
 ・適合性評価手順の変化とその影響

改訂された機械規則への理解と対応は、製造業者にとって喫緊の課題です。
ぜひこの機会に最新情報をご確認ください。

 

●動画再生時間:20分29秒

●情報の有効時点:本コンテンツは2025年7月時点の情報に基づいて作成されています。
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オンサイト試験とは?メリット・デメリットから費用、流れまで解説!

大型の産業機械や特殊な設備が必要な製品のEMC試験でお困りではありませんか。製品を試験所まで運ぶのが困難な場合、有効な解決策となるのが「オンサイト試験」です。オンサイト試験とは、試験機関のエンジニアが測定器を持参し、お客様の工場や製品の設置場所で直接EMC試験を実施するサービスです。

 

この記事では、オンサイト試験の基礎知識から、メリット・デメリット、具体的な試験の流れ、費用、そして信頼できる試験機関の選び方までを網羅的に解説します。この記事を読めば、自社製品にオンサイト試験が適しているかを判断し、スムーズに試験を進めるための知識が身につきます。

 

 

オンサイト試験とは?

 

オンサイト試験は、製品が設置されている現場、つまり「オンサイト」で実施されるEMC試験のことです。試験設備を整えた電波暗室などで行う「サイト試験」とは異なり、エンジニアが必要な機材をすべて持ち込み、顧客の工場や施設内で試験を行います。

 

これにより、輸送が難しい製品でもEMC指令や各種規格への適合性を評価できます。

 

試験所への持ち込みができない製品に対するEMC試験

オンサイト試験の最大の特徴は、製品を試験所に輸送する必要がない点です。

 

通常のEMC試験では、製品を専門の試験所に運び込み、電波暗室などの管理された環境で測定を行いますが、オンサイト試験ではそのプロセスが不要になります。

 

試験機関のエンジニアが、アンテナ、スペクトラムアナライザ、擬似電源回路網といった試験に必要な機材一式を顧客の施設へ持ち込んで試験環境を構築します。

 

オンサイト試験に適した製品とは

オンサイト試験は、特に以下のような特徴を持つ製品に適しています。

 

対象製品 理由
工作機械、大型印刷機、産業用ロボット、組立ライン サイズが大きく、重量がある 物理的に輸送が困難
クリーンルーム内で使用する装置 半導体製造装置 汚染管理の観点から、施設外への持ち出しが許可されない
特殊な電源やガス、純水が必要な装置 試験所でユーティリティ(付帯設備)を再現できない 設備が整っていない

 

これらの製品は、従来のサイト試験を利用することが現実的ではないため、オンサイト試験が唯一の、あるいは最も効率的な選択肢となります。

 

オンサイト試験のメリット

 

オンサイト試験のメリット

オンサイト試験を選択することには、コスト、時間、柔軟性の面で多くのメリットがあります。

 

製品開発の最終段階において、これらの利点はプロジェクトの成否に大きく貢献します。

 

製品の輸送コストと関連リスクを削減できる

大型で重量のある製品を試験所まで輸送するには、多額の費用がかかります。

 

特殊な梱包や重量物輸送専門の業者を手配する必要があり、それに伴う保険料も無視できません。オンサイト試験では、これらの輸送コストが一切不要になります。

 

また、輸送中に発生しうる振動や衝撃による製品の損傷リスク、あるいはそれに伴うスケジュールの遅延といった不確定要素を根本から排除できる点も大きなメリットです。

 

試験現場での迅速な対応が可能

試験は自社の施設内で行われるため、例えばEMI試験で規格値を超えるノイズ(不適合)が発見された場合でも、その場で迅速に対応できます。


設計担当者や製造担当者がすぐに集まり、原因究明や対策を検討し、即座に修正を試みることが可能です。

 

試験機関によっては、経験豊富なエンジニアがその場でノイズ対策の技術的なアドバイスを行える場合もあり、開発期間の大幅な短縮につながります。

 

特殊な設備や環境下での試験を実現

製品の動作にクリーンルーム、純水、特殊ガス、大容量電源といった特別な設備や環境が必要な場合、それらを試験所内で再現することは極めて困難です。


オンサイト試験であれば、製品が本来稼働するべき環境で、実際の使用状況に即したEMC評価が可能になります。

 

これにより、試験のためだけに製品の仕様を変更したり、環境を妥協したりする必要がなくなり、より信頼性の高い試験結果を得ることができます。

 

オンサイト試験のデメリットと注意点

オンサイト試験のデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、オンサイト試験には特有のデメリットや注意すべき点も存在します。

 

これらを事前に理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。

 

周囲の環境ノイズの影響を受ける可能性

工場の内部は、他の稼働設備や無線通信など、様々なノイズ源が存在する「ノイズの多い環境」です。

 

これを「環境ノイズ(暗ノイズ)」と呼びます。この環境ノイズが、測定対象の製品から放出されるノイズレベルを上回ってしまうと、正確な測定が困難になります。 そのため、多くの場合、他の生産ラインが停止する夜間や休日に試験を実施する必要があり、スケジュールの調整が求められます。

 

環境ノイズ 対策
工場内の他の設備からのノイズ 他の設備が停止する夜間や休日に試験を実施する
放送波や携帯電話の電波 外来波として区別し、それらの帯域に製品からのノイズが出ているかどうかの判断をする
電源ラインからのノイズ 測定器と電源の間に高性能なノイズフィルタを挿入する

 

試験実施の時間帯が制限される場合がある

前述の通り、環境ノイズを避けるために、工場の稼働が停止している時間帯、すなわち夜間や休日での試験が推奨されます。


これにより、試験の立ち会いに時間外勤務が必要になったり、生産スケジュールとの調整が複雑になったりする可能性があります。

 

ただし、試験機関によっては、夜間・休日対応が可能であるため、事前に確認することが重要です。

 

放射イミュニティ試験に制約がある

イミュニティ試験(耐性試験)の一部である「放射イミュニティ試験」は、アンテナから製品に対して意図的に電波を放射し、誤動作しないかを確認する試験です。

 

オンサイト試験では、サイト試験のように広範囲の周波数で強力な電波を照射することができません。

 

替として、トランシーバや携帯電話など、無線機を用いて限られた周波数帯での試験や他の代替手段を用いて試験を実施します。

 

オンサイト試験の具体的な流れ

オンサイト試験の具体的な流れ

オンサイト試験をスムーズに進めるためには、全体の流れを把握しておくことが重要です。

 

一般的には、問い合わせからレポートの受領まで、以下の5つのステップで進行します。

 

ステップ1:問い合わせと製品情報の確認

まずは、試験機関のウェブサイトなどから問い合わせを行います。


その際、製品の概要、サイズ、重量、必要なユーティリティ、適用したい規格や目的(例:CEマーキングなど)といった情報を伝える必要があります。

 

この情報をもとに、試験機関はオンサイト試験の可否や、大まかな試験内容を検討します。

 

ステップ2:試験内容の打ち合わせと見積もり

次に、試験機関の担当者と詳細な打ち合わせを行います。

 

製品の仕様、構成、動作モード、接続ケーブルの種類と本数などを共有し、適用規格に基づいて必要な試験項目と手順を具体的に決定します。必要に応じて現地調査を行うこともあります。

 

これら打ち合わせ内容に基づき、試験機関から正式な見積書が提示されます。見積もりには、試験費用だけでなく、エンジニアの出張費や交通費なども含まれます。

ステップ3:スケジュールの調整と事前準備

発注後、お客様の生産計画や開発スケジュールに合わせて具体的な試験日程を調整します。


試験を効率的に進めるため、顧客側でも事前の準備が必要です。

 

例えば、測定アンテナを設置するための十分なスペース(製品から3m以上の離隔距離)の確保や、安定した電源の供給、試験対象の製品を操作する担当者のアサインなどが求められます。

 

ステップ4:現地での試験実施と対策

試験当日、エンジニアが機材を持って現地に到着(或いは事前に現地へ送付)し、準備が整い次第、試験を開始します。

 

エミッション測定で不適合箇所が見つかった場合は、その場で原因調査と対策作業に入ります。

 

顧客の設計担当者と試験機関のエンジニアが協力し、フェライトコアの挿入やシールドの追加といった対策を施し、再度測定を行って効果を確認します。

 

ステップ5:試験レポートの発行

全ての試験が完了すると、試験機関は測定データや結果をまとめた正式な試験レポートを作成します。


まずドラフト版が送付され、内容に間違いがないかを確認したのち、正式版が発行されます。

 

このレポートは、CEマーキングにおける技術文書の一部として、また製品が規格に適合していることを立証する重要なエビデンスとして、大切に保管する必要があります。

 

オンサイト試験で実施される主な試験項目

 

オンサイト試験は、サイト試験に準じた内容で実施されます。試験は大きく「エミッション測定」と「イミュニティ試験」の2つに分けられます。

 

エミッション測定の種類と内容

エミッション測定は、製品が外部にどれくらいの電磁ノイズを放出しているかを測定する試験です。

 

このノイズが規格で定められた限度値以下であることが求められます。

試験項目 規格例 概要
放射エミッション測定 CISPR11
IEC 61000-6-4
製品から空間に放射されるノイズをアンテナで測定します。
伝導エミッション測定 CISPR11
IEC 61000-6-4
電源ケーブルを伝わって漏れ出すノイズを測定します。
電源高調波電流測定 IEC 61000-3-2
IEC 61000-3-12
製品が電源系統に与える高調波の影響を測定します。

 

イミュニティ試験の種類と内容

イミュニティ試験は、外部からのノイズ(妨害波)に対して、製品がどれだけ耐性があるかを確認する試験です。

 

疑似的なノイズを製品に印加し、性能の低下や誤動作が起きないかを評価します。

試験項目 規格例 概要
静電気放電試験 IEC 61000-4-2 操作者が触れる可能性のある箇所に静電気を放電し、耐性を確認します。
ファストトランジェント/バースト試験 IEC 61000-4-4 電源ラインなどにスイッチングノイズのような高速な過渡ノイズを印加します。
雷サージ試験 IEC 61000-4-5 電源ラインなどに雷による誘導サージを模擬したノイズを印加します。
伝導イミュニティ試験 IEC 61000-4-6 電源ケーブルや信号線に無線周波数帯のノイズを印加します。
電源周波数磁界試験 IEC 61000-4-8 商用電源から発生する磁界ノイズへの耐性を確認します。
電圧ディップ・瞬時停電試験 IEC 61000-4-11
IEC 61000-4-34
電源の電圧変動や瞬間的な停電に対する耐性を確認します。

 

オンサイト試験の費用について

 

オンサイト試験の費用は、製品の仕様や試験内容によって大きく変動するため、一概に示すことは困難ですが、下記の内訳/変動要因によって決まります。

 

オンサイト試験の見積もりは、主に以下の要素で構成されます。

 

  • ・基本料金: 試験日数に応じて変動します。(エンジニア派遣費用込み)
  • ・出張・交通費: 試験場所までの往復交通費や宿泊が必要な場合の宿泊費です。
  • ・機材輸送費: 試験機材を現地まで運搬するための費用です。
  • ・試験レポート発行料金:試験レポートの作成/発行費用です。

 

費用が変動する主な要因には、「動作モード数、連続動作可能時間」「製品の複雑さ(I/Oポート数、ケーブル長など)」「適用規格の種類と数」「試験日数」「試験場所の所在地」などが挙げられます。

 

信頼できるオンサイト試験機関の選び方

 

オンサイト試験の成否は、パートナーとなる試験機関の技術力や対応力に大きく左右されます。

 

以下の3つのポイントを参考に、信頼できる試験機関を選びましょう。

 

対応可能な規格と実績を確認する

まず、自社製品に必要な規格(例: CISPR, EN, FCC, KC Sなど)の試験に対応しているかを確認します。

 

加えて、自社の製品分野(例: 産業機械、医療機器など)におけるオンサイト試験の実績が豊富かどうかも重要な判断材料です。 試験機関のウェブサイトで公開されている実績やケーススタディを確認し、経験の深さを見極めましょう。

 

複数の試験機材とチームを保有しているか

オンサイト試験は、顧客のスケジュールに合わせて柔軟に対応する必要があります。

 

急な日程変更や、複数の案件が同時進行する状況にも対応できるよう、複数の測定システム(試験機材セット)と、試験を担当するエンジニアチームを保有している試験機関は信頼性が高いと言えます。

 

これにより、機材の故障やスケジュールの重複といった不測の事態にもスムーズに対応できる体制が期待できます。

 

不適合時のノイズ対策サポート体制

オンサイト試験の大きな利点の一つは、不適合時にその場で対策を施せることです。

 

しかし、そのためには試験機関側に高度なノイズ対策技術が求められます。
試験を担当するエンジニアが不適合時に具体的な対策案の提示ができるかなど、技術的なサポート体制の充実度を確認することが重要です。

 

試験結果の信頼性を高めるためのテストプランサポート

オンサイト試験のコストを抑えるためには試験期間の短縮が求められます。

 

しかしながら、この部分に主を置いてしまうと簡略化した試験になりがちであり、結果として“適合”に対する不確実性が大きくなります。


このリスクを下げるためにはその要因をできるだけ排除したテストプランを用意する必要があり、そのためには試験機関と事前打ち合わせをしっかり行うことが大切です。

 

まとめ

 

本記事では、試験所への持ち込みが困難な大型製品などに有効なオンサイト試験について、その概要からメリット・デメリット、具体的な流れ、費用、そして信頼できるパートナーの選び方までを詳しく解説しました。

 

オンサイト試験を成功させるためには、その特性を正しく理解し、信頼できる試験機関と緊密に連携することが不可欠です。この記事で得た知識を活用し、製品のEMC試験と認証取得を円滑に進めてください。

 

インターテックジャパンでは、世界各国の認定試験所と連携し、現地でのオンサイト試験サービスを提供しています。工場検査時の安全試験から各国規格への適合性評価まで、グローバルネットワークを活用した効率的な試験実施が可能です。豊富な実績と専門知識で、お客様の製品認証を迅速にサポートいたします。詳細はお気軽にご相談ください。

EMC(電磁適合性)試験|電気・電子部門|インターテック ジャパン株式会社|Intertek Japan

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IEC 61010とは?規格の要求事項と認証のポイントを解説!

電気計測器やラボ用機器を開発・製造する際、必ず考慮しなければならないのが安全性です。

特に、グローバル市場で製品を展開するには、国際的な安全規格への適合が不可欠で、「IEC 61010」は、まさにその中心となる規格の一つです。

 

本記事では、このIEC 61010について、その基本から具体的な要求事項、認証取得のプロセスまでを分かりやすく解説します。

製品の安全性確保とスムーズな市場投入を目指す技術者や品質保証担当者の方にとって、必見の内容です。

 

 

IEC 61010とは?

 

IEC 61010は、特定の電気機器の安全性に関する要求事項を定めた国際規格です。

 

製品の設計者や利用者の安全を守ることを目的としており、世界中の多くの国や地域で採用されています。

 

測定・制御・試験所用機器の国際安全規格

IEC 61010は、国際電気標準会議(IEC)によって発行された、測定用、制御用、および試験所(ラボ)で使用される電気機器の安全に関する国際規格です。

 

この規格に適合することは、製品が国際的に認められた安全基準を満たしていることを示す証となります。

 

規格の目的は作業者の安全確保

IEC 61010の最も重要な目的は、機器の操作者や周辺にいる人々の安全を確保することです。

 

この規格では、感電や火災、機械的な危険といった様々な潜在的リスクを特定し、それらに対する保護方策を具体的に定めています。

設計・製造段階でこれらの要求事項を盛り込むことにより、事故の発生確率を大幅に低減させ、安全な作業環境を実現します。

主な目的 具体的な内容
人命の保護 感電、火傷、機械的傷害などから
使用者を保護します。
火災の防止 機器の過熱や短絡による火災の発生と
延焼を防ぎます。
周辺環境への配慮 有害なガスや放射線の放出といった、
使用者以外への危険も考慮します。

 

IEC 61010の規格構成

 

IEC 61010は、単一の文書ではなく、複数のパートから構成されるシリーズ規格です。

これにより、基本的な共通要求と、特定の機器に特有の要求の両方をカバーしています。

 

基本となるパート1:一般要求事項

IEC 61010-1は、シリーズ全体の基本となる規格です。ここには、対象となるすべての機器に共通して適用される、普遍的な安全要求事項が規定されています。

 

設計の基本原則、感電や火災に対する保護、温度制限、構造上の要求など、安全設計の根幹をなす内容が含まれます。

まず、すべての製品はこのパート1の要求事項を満たす必要があります。

 

機器の種類に応じたパート2:個別要求事項

パート2は、特定の種類の機器や、特定の用途に特有のハザードに対応するための個別要求事項を定めています。

 

例えば、以下のようなものがあります。

  • ・IEC 61010-2-010: 材料の加熱用試験装置
  • ・IEC 61010-2-020: 遠心分離機
  • ・IEC 61010-2-030: 試験・測定用回路を持つ機器
  • ・IEC 61010-2-101: 体外診断(IVD)用医療機器

自社製品に適用されるパート2規格が存在する場合は、パート1に加えて、該当するパート2の要求事項にも適合させる必要があります。

 

IEC 61010が対象とする主なハザード

 

IEC 61010が対象とする主なハザード

IEC 61010では、電気機器が引き起こしうる様々な危険(ハザード)を想定し、それぞれに対する具体的な安全要求事項を定めています。

 

感電や火傷などの電気的ハザード

電気機器における最も代表的なハザードです。

規格では、人が危険な電圧や電流に触れることを防ぐための対策を求めています。

 

具体的には、基礎絶縁や二重絶縁といった保護手段、沿面距離と空間距離の確保、保護接地(アース)の確実な接続などが要求されます。

これらは、通常時だけでなく、単一故障(一箇所の絶縁破壊など)が発生した場合でも安全が保たれるように設計されなければなりません。

 

可動部や安定性に関する機械的ハザード

機器の可動部分による挟み込みや巻き込み、不安定な構造による転倒なども重大なハザードです。

 

IEC 61010では、危険な可動部にはガードを設けることや、機器が容易に転倒しないような機械的安定性を持つことを要求しています。

また、人が持ち運ぶことを想定した機器には、適切な取っ手の設計なども求められます。

 

火災の広がりや過度の温度上昇といった熱的ハザード

機器内部の部品の故障や過負荷は、過度の温度上昇や発火の原因となりえます。

 

この規格では、通常動作時および異常状態において、人が触れる可能性のある表面温度が安全な範囲に保たれることを要求します。

さらに、万が一内部で発火した場合でも、筐体が延焼を防ぎ、火災が外部へ広がらないような構造や材料(難燃性材料の使用など)を求めています。

 

放射線や化学物質などのその他のハザード

上記のハザードに加えて、IEC 61010はより専門的なハザードもカバーしています。

  • 放射線: レーザーや紫外線、X線などを発生する機器に対する保護要求。
  • 音響/超音波: 過度の騒音や超音波エネルギーからの保護。
  • 化学的ハザード: 有害なガス、蒸気、液体などが漏洩することを防ぐための要求。

これらのハザードについては、リスクアセスメントを実施し、規格で完全にカバーされていない危険が特定された場合、追加の保護方策が必要になることがあります。

ハザードの種類 具体的な要求事項の例
電気的ハザード ・絶縁
・保護接地
・空間距離/沿面距離の確保
機械的ハザード ・可動部の保護ガード
・機器の安定性
・鋭利な角の除去
熱的ハザード ・表面温度の制限
・難燃性材料の使用
・適切な換気設計
その他のハザード ・放射線シールド
・有害物質の封じ込め
・警告ラベルの表示

 

IEC 61010に適合するメリット

 

IEC 61010に適合するメリット

規格への適合は、単なる義務ではなく、企業にとって多くのメリットをもたらします。

 

製品の安全の向上

IEC 61010に準拠した設計を行うことは、製品に内在する潜在的なリスクを体系的に洗い出し、対策を講じるプロセスそのものです。

 

これにより、感電や火災といった事故の発生を未然に防ぎ、使用者の安全を確保できます。

安全性の高い製品は、顧客からの信頼を獲得し、ブランドイメージの向上に直結します。

 

グローバル市場へのスムーズな展開

IEC 61010は世界中で認められた国際規格であるため、
この規格に基づいて製品を設計・評価することで、各国の規制や要求事項に効率的に対応できます。

 

一つの規格への適合が、複数の市場への扉を開く鍵となります。

 

設計・開発段階でのリスク低減

開発プロセスの初期段階からIEC 61010の要求事項を考慮に入れることで、後工程での大幅な設計変更や手戻りを防ぐことができます。

 

これは、開発コストの削減と開発期間の短縮に直接的に貢献します。

リスクを未然に管理することで、スムーズで予測可能な製品開発が可能になります。

 

IEC 61010認証取得のプロセス

 

IEC 61010認証取得のプロセス

規格への適合を証明するためには、一般的に第三者認証機関による評価と認証取得のプロセスを経ることになります。

 

製品仕様の確認と適用規格の選定

まず、開発する製品の仕様、用途、構造を明確にし、適用されるべきIEC 61010のパート規格を正確に選定します。

 

例えば、測定回路を持つ機器であれば、IEC 61010-1(一般要求)に加えてIEC 61010-2-030(個別要求)の適用を検討します。

この段階で適用規格を誤ると、後のプロセス全体が無駄になる可能性があるため、慎重な確認が重要です。

 

規格に基づいたリスクアセスメントの実施

次に、選定した規格の要求事項に従って、製品に潜むハザードを特定し、そのリスクレベルを評価するリスクアセスメントを行います。

 

規格で要求されている保護方策が、特定されたリスクに対して十分であるかを確認し、不十分な場合は追加の対策を設計に盛り込みます。

このプロセスは、製品の安全性を論理的に確保する上で中核となります。

 

第三者認証機関による試験と評価

設計が完了し、試作品が完成したら、独立した第三者認証機関に製品を提出し、規格適合性試験を依頼します。

 

認証機関では、絶縁耐力試験、温度上昇試験、機械的強度試験、故障状態をシミュレートした試験など、専門的な設備と技術を用いて厳格な評価を行います。

試験結果は詳細なレポートとしてまとめられます。

 

認証書の発行と適合宣言

すべての試験項目に合格すると、認証機関から製品が規格に適合していることを証明するCB証明書などの認証書が発行されます。

 

この認証書と試験レポートを根拠として、製造者は自社の製品が関連する指令や規制(例: 欧州の低電圧指令)に適合していることを宣言(自己宣言)し、製品にCEマークを表示することができます。

 

まとめ

IEC 61010は、測定・制御・試験所用電気機器の安全性を確保するための重要な国際規格です。

 

この規格は、感電、火災、機械的危険など多岐にわたるハザードから使用者を保護するための具体的な要求事項を定めています。規格に適合することにより、製品の信頼性を高め、グローバル市場への展開を円滑に進めることが可能になります。

 

インターテックジャパンでは、ラボ用機器に必要なIEC 61010-1規格をはじめとする各種安全規格の試験・認証サービスを提供しています。

グローバル展開に必要なCBレポート発行から、A2LA認定試験所としての信頼性の高い評価まで、豊富な実績でお客様の製品安全をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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【無料ウェビナー】IEC TS 60601-4-2とは?TRからTSへの変更点と実務への影響を徹底解説!

医療電気機器の安全性設計、最新版規格に対応できていますか?
本ウェビナーでは、IEC TS 60601-4-2(旧IEC TR 60601-4)の最新アップデートについて、
実務担当者が押さえるべき変更点と対応策をわかりやすく解説します。

注目ポイント:

 ・TRからTSへの移行で何が変わったのか?

 ・設計・リスク管理における推奨事項と留意点

 ・今後の製品設計や試験方針への影響

規格改訂は対応の遅れがリスクに直結します。ぜひこの機会にご確認ください。

 

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【無料ウェビナー】プログラム医療機器(SaMD)の適合要件とは?― 規制対応に必要な基本と実務を解説!

SaMD(Software as a Medical Device)に求められるのは、医療機器としての視点。
医療ソフトウェアの普及が進む中、SaMDは医療機器カテゴリーとして独自の法的・技術的要件が定められています。
本ウェビナーでは、以下のポイントに焦点を当てて、適合要件の全体像を短時間で整理します。

主なトピック:

 ・SaMDの定義と他の医療機器との違い

 ・適用される国際規制とガイダンス

 ・設計・品質管理・文書化など実務での留意点

これからSaMD開発や申請を検討される企業の方、必見の内容です。

 

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【無料ウェビナー】産業用コントロールパネル認証の新常識!パネルビルダーズプログラムの全貌とは?

UL 508AやCSA C22.2 No.286に頼らない、新たな選択肢。
インターテックのカスタム・パネル・ビルダーズ・プログラムは、
産業用コントロールパネル製造業者向けに設計された、効率的かつ柔軟な認証アプローチです。

本ウェビナーでは、以下のような課題をお持ちの方に最適な情報をお届けします:

 ・従来の認証スキームのコストや納期に悩んでいる

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パネルビルダーとしての認証取得プロセスと、導入メリットを短時間でわかりやすくご紹介します。

 

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【無料ウェビナー】呼吸ガス経路の生体適合性とは?ISO 18562の要求事項をわかりやすく解説!

“見落としがちなガス経路評価”が、規制適合のボトルネックになっていませんか?
本ウェビナーでは、ISO 18562シリーズに基づく呼吸ガス経路の生体適合性評価について、
基本概念から規格の適用範囲、インターテックによる支援内容まで詳しくご紹介します。

ISO 18562は、以下のような医療機器に適用されます:

 ・呼吸器や麻酔器など、医療ガスが間接的に患者へ供給される機器

 ・ISO 10993だけでは評価が不十分とされるガス接触部を有する製品

ISO 10993との違いや、試験の考え方、導入時の注意点などを明確に解説する内容です。
試験準備・申請対応中の方は必見です。

 

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【無料ウェビナー】BESS対応は万全ですか?EUバッテリー規制とCEマーキングの実務ポイントを徹底解説!

エネルギー転換を支えるBESS、その輸出・上市に欠かせない「CEマーキング」対応へ。
本ウェビナーは、注目を集めるEUバッテリー規制シリーズの第4回。
今回は、**定置型バッテリーエナジーストレージシステム(BESS)**を対象に、
CE適合性評価の要点をわかりやすく解説します。

以下のような課題をお持ちの方に最適です:

 ・BESSに対する規制上の定義や要件を知りたい

 ・製造業者・輸入業者に求められる具体的な責任や手続きを整理したい

 ・試験基準やタイムラインなどの実務情報を確認したい

EU市場参入を目指す企業必見の内容です。

 

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【無料ウェビナー】医療機器に求められる無線共存試験とは?– FDA要件と実践的アプローチを解説!

医療機器が“無線干渉”で誤作動しないために。
本ウェビナーでは、Wireless Coexisting(無線共存)試験の基礎からFDAの最新要件まで、
医療機器の性能・安全性・規制適合性を守るための実践的アプローチを解説します。

主なトピック:

 ・FDAが求める無線共存試験とは?

 ・リスク分析や試験計画の立て方

 ・手術室・ICUなど多様な医療環境における共存の課題と対策

共存試験の理解は、グローバル市場対応と製品信頼性確保の鍵です。

 

●動画再生時間:25分32秒

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