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IEC 61010:図面と重要部品の重要性

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設計と並行して文書整備を進める重要性

IEC 61010の文書要求事項を満たすことと、評価プロセスを効率的に進めることは別の課題です。 

理論上、製品が適切に設計されていれば、認証プロセスは比較的スムーズに進むはずです。しかし実際には、多くのプロジェクトで文書化が不十分なために、設計がどのように要求事項へ適合しているのかが明確に伝わらず、試験機関との度重なるやり取りが発生し、評価が長引くことがあります。 

問題は「何を作ったか」ではなく、「それをどのように説明したか」にあります。

本ブログでは、試験機関が製品を効率的に評価するために実際に必要としている情報と、文書の不足によって評価が遅れる典型的なポイントについて解説します。

 

明確な製品説明からはじめる

試験機関が最初に必要とするのは、製品を正しく理解するための明確な情報です。以前のブログで説明した「使用目的(Intended Use)」および「製品説明(Product Description)」は、プロジェクトの初期段階から多くの重要事項を明確にするための基礎となります。 

これらが曖昧な場合、その後のすべての評価作業が難しくなります。

 

設計内容を明確に示す

IEC 61010評価のために提出される回路図や設計図面は、多くの場合、製造を目的として作成されています。そのため、IEC 61010への適合性を説明することまでは十分に考慮されていないことがあります。問題はここから始まります。 

試験機関の立場から見ると、これらの図面は単に製品の機能を示すだけでなく、「どのように規格要求へ適合しているのか」を明確に示す必要があります。 

回路図や図面において、火災防止および感電保護の要求事項を満たすための設計意図が十分に説明されていない場合、試験機関は設計者の意図を推測しなければならず、あるいはメーカーとの追加確認を繰り返す必要が生じます。その結果、不必要な遅延につながります。

設計者が規格要求を十分に考慮し、IEC 61010への適合を目指して機器を設計しているのであれば、その内容は図面や回路図の中で明確に示されるべきです。

特に以下の情報は、試験機関が適合性を判断する上で重要な要素です。

  • 動作電圧(Working Voltages)
  • 重要な沿面距離(Creepage Distances)
  • 空間距離(Clearance Distances)
  • 材料グループ(Material Groups)
  • 過電圧カテゴリ(Overvoltage Categories)
  • 汚染度(Pollution Degree)

これらの情報が明確であれば評価は迅速に進みます。一方、情報が不足している場合には、複数の資料から内容を再構築しなければならず、評価に時間を要することになります。

 

重要部品(Critical Components)を特定する

IEC 61010に基づいて評価される製品には、通常、多数の安全上重要な部品が含まれています。例えば、次のような部品です。 

  • 電源装置
  • エンクロージャ
  • ヒューズ
  • コネクタ
  • 配線類

実際には、これらの部品に関する基本的な情報の確認に多くの時間が費やされることがあります。

  • どの部品が使用されているのか
  • 部品の定格は何か
  • 使用条件や制限事項が存在するか

このような確認作業の多くは、事前の文書化によって回避できます。

機器の部品表(Bill of Materials:BOM)には、安全上重要な部品について以下の情報を明確に記載することが推奨されます。

  • メーカー名および部品番号
  • 各種定格(電気的定格、温度定格、難燃性など)
  • 認証情報および適用条件

 

代替部品の採用は、重要部品管理において頻繁に見られる課題の一つです。小さな変更であっても、熱的特性、沿面距離・空間距離、または安全保護機能の性能に影響を与える可能性があります。代替部品をあらかじめ計画・文書化していない場合、適合性評価の再実施や、場合によっては再試験が必要となることがあります。

 

まとめ

文書化は規格要求事項を満たすために作成されるものですが、それだけでなく、IEC 61010プロジェクトにおける不確実性を低減する役割も果たします。

設計内容が明確に記述され、設計上の前提条件が明示されており、火災防止および感電保護のための方策が分かりやすく示されていれば、評価は円滑に進みます。その場合、試験機関への製品提出は、これまで実施してきた設計・検証内容を確認するプロセスとなります。

こうした明確さが欠けている場合、評価の遅延が発生します。試験機関は、適合製品を設計するために行われた設計上の判断を解釈しなければならず、ときにはその意図を推測しながら評価を進めることになります。

重要なポイントはシンプルです。文書化を設計完了後の最終作業として捉えるのではなく、設計と並行して進めることです。そして、その文書が製品のIEC 61010への適合方法を明確に示していることを確認してください。

そうすることで、試験機関との度重なる確認作業を減らし、プロジェクト終盤での予期せぬ問題を回避できるだけでなく、IEC 61010評価をより確実かつ効率的に進めることができるでしょう。

 

※本ブログはグローバルサイトに掲載された記事の日本語訳です。原文はこちらよりご確認いただけます。

 

 

この記事を書いた人

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

2005年にインターテックジャパン株式会社に入社。電気・電子部門の営業として、主にIT機器、医療機器、家電製品のEMC試験、無線試験、PSE試験などの各種試験・認証業務に従事。