EMC試験のテストプラン作成のお困りごとを解消!難しさや解決策を紹介【有償で専門家が作成支援も可能】
新製品の開発プロジェクトにおいて、EMC試験は避けては通れない重要なプロセスです。しかし、その準備段階である「テストプラン」の作成に、不安や難しさを感じている技術者の方も少なくないでしょう。
一般的にEMC試験は、お客様が作成したテストプランに基づき試験機関が実施しますが、規格内容が複雑なため、EMC経験の少ないお客様が独力で作成することは容易ではありません。
綿密なテストプランは、EMC試験をスムーズに進め、プロジェクト全体の成功を左右する鍵となります。本記事では、EMCテストプランの重要性から、作成の難しさ、そして専門家による作成支援サービスを利用するメリットまでを詳しく解説します。
EMCテストプランの作成でお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。EMC試験、該当規格に精通したインターテックジャパンのエキスパートがお客様のテストプラン作成を(有償)サポートします。
EMC試験実施前は開発過渡期で多忙になりますが、インターテックジャパンがテストプラン作成のサポートをすることで、開発へ注力でき、効率的なテストプラン作成が可能となります。
お問い合わせは下記よりお願いいたします。
目次
【導入】EMC試験には「テストプラン」が不可欠です
EMC試験を成功させるためには、事前の「テストプラン」作成が極めて重要です。テストプランとは、どの規格に基づき、どのような条件で、何を評価するのかを具体的に定めた試験計画書を指します。この計画書が、試験の羅針盤となるのです。
EMC試験とは? なぜ事前の「テストプラン」が必要なのか
EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)試験は、電子機器が発する電磁ノイズ(エミッション)が他の機器に影響を与えず、かつ他の機器からの電磁ノイズ(イミュニティ)によって自身が誤作動しないことを確認するための試験です。
この試験に合格しなければ、製品を市場に出荷することはできません。EMC試験の実施にあたっては、お客様がテストプランを事前に作成し、そのプランに基づいて試験機関が試験を実施します。
このため、テストプランは、この複雑な試験の目的と手順を明確化し、試験機関と依頼者の間で共通認識を持つために不可欠な文書です。テストプランがなければ、試験の妥当性を証明することも難しくなります。
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試験当日に慌てないために、綿密な準備が求められる
試験当日に「必要な周辺機器を忘れた」「製品の動作モードが想定と違う」といったトラブルが発生すると、試験が中断し、再予約が必要になるケースも少なくありません。
綿密なテストプランを作成する過程で、試験に必要な物品、製品の動作条件、判定基準などを事前にリストアップし、関係者間で共有することができます。これにより、当日の不測の事態を防ぎ、スケジュール通りに試験を進行させることが可能になります。
近年は規格が複雑化しており、正確なプランなしに試験を成功させるのは困難
現代の電子機器は多機能化・高密度化が進み、無線通信機能の搭載も一般的になりました。これに伴い、適用されるEMC規格も年々改訂され、複雑化しています。
例えば、医療機器や産業機器など、特定の用途向けの製品には、基本となる規格に加えて、個別の要求事項が追加されることもあります。これらの複雑な規格を正確に理解し、適切な試験項目を網羅したプランを作成しなければ、試験の合格は困難です。
EMC規格に基づいたテストプランの作成の難しさ
EMCテストプランの作成が難しいとされる背景には、EMC規格そのものが持つ高度な専門性があります。
EMC規格書をただ読むだけでは、自社製品に最適な試験条件を導き出すことは容易ではありません。
IEC 60601-1-2、IEC 61326-1、CIPSR 32/CISPR 35などのEMC規格は専門知識が要求される
EMC規格には、医療機器向けの「IEC 60601-1-2」、計測・制御機器向けの「IEC 61326-1」、マルチメディア機器向けの「CISPR 32/CISPR 35」など、製品分野ごとに様々な種類が存在します。
これらの規格は、それぞれ独自の要求事項や試験方法を定めており、内容を正確に理解するには電気・電子工学や電波法規に関する深い専門知識が求められます。技術用語や特有の概念も多く、経験の浅い技術者にとっては解読が困難な場合があります。
規格ごとの適用条件、試験構成、周波数帯、イミュニティ要件の理解が必要
テストプランを作成するには、まず自社製品にどの規格が適用されるのかを正しく判断する必要があります。その上で、規格が要求する試験項目(例:放射エミッション、伝導エミッション、静電気イミュニティなど)を漏れなく選定しなければなりません。
さらに、製品の使用環境に応じて、試験レベルや周波数範囲、適用するイミュニティ要件などを適切に設定する必要があります。これらの詳細な条件設定を誤ると、試験そのものが無意味になってしまう可能性もあります。
| 規格分野 | 代表的な規格 | 主な対象製品 |
| 医療機器 | IEC 60601-1-2 | 人工呼吸器、心電計、診断用画像装置など |
| 体外診断用医療機器 (インビトロ機器) |
IEC 61326-2-6 | 血液分析装置、血糖値測定器など |
| ラボ用計測・制御機器 | IEC 61326-1 | 計測器、プログラマブルコントローラ機器など |
| マルチメディア機器 | CISPR 32/CISPR 35 | PC、マルチファンクションプリンタ、オーディオ機器など |
EMCに不慣れな技術者が独力で対応するのは現実的に難しいケースも
これら専門性の高い規格と向き合い、数多くの要求事項を製品仕様と照らし合わせながらテストプランに落とし込む作業は、EMCに不慣れな技術者にとって大きな負担となります。
一方で、試験規格の内容も複雑であり、EMC経験の少ないお客様が単独でテストプランを作成することは簡単ではないのが実情です。
本来の設計・開発業務と並行して対応する場合、情報収集や規格の学習に多くの時間を費やすことになり、開発スケジュール全体に影響を及ぼすことも少なくありません。
EMCテストプランの作成でお困りの際は、ぜひ弊社にご相談ください。EMC試験、該当規格に精通したインターテックジャパンのエキスパートがお客様のテストプラン作成を(有償)サポートします。
EMC試験実施前は開発過渡期で多忙になりますが、インターテックジャパンがテストプラン作成のサポートをすることで、開発へ注力でき、効率的なテストプラン作成が可能となります。お問い合わせは下記よりお願いいたします。
テストプラン作成ミスがもたらすコストとリスク
もし、テストプランに不備があった場合、それは単なる計画のミスでは済みません。プロジェクト全体に深刻な影響を及ぼす、具体的なコストやリスクに直結します。
試験当日に必要な条件が不足している
テストプランの検討が不十分だと、試験当日に必要な周辺機器やケーブル、ソフトウェアなどが揃っていないという事態を招きます。
また、製品を特定のモードで動作させるための手順が確立されておらず、試験に時間を要することもあります。これにより、限られた試験時間内に予定していた評価を終えられず、試験が中途半端な結果に終わってしまうリスクがあります。
不完全なプランで実施 → 再試験 → 時間とコストのロス
テストプランに、適用すべき試験項目が漏れていたり、設定すべき試験レベルを誤っていたりすると、たとえ試験自体は完了しても、その結果は規格要求を満たしたものにはなりません。
結局、プランを修正して再試験を行う必要が生じます。再試験には、当然ながら追加の試験費用が発生します。さらに、再試験のための日程調整や製品の準備にも時間がかかり、製品のリリース遅延という最も避けたい事態につながります。
誤った試験内容で「合格」と思い込む → 市場出荷後のリスクに直結
最も危険なケースが、不適切な試験内容で偶然にも基準値をクリアし、「合格」したと誤解してしまうことです。この場合、製品はEMC性能が不十分なまま市場に出荷されてしまいます。
その結果、使用環境で他の機器に障害を与えたり、逆にノイズで誤作動を起こしたりする可能性があります。これは製品リコールや企業の信頼失墜といった、ビジネスに致命的なダメージを与える重大なリスクです。
試験機関とのコミュニケーションロスも起きやすい
テストプランは、製品開発者と試験機関のエンジニアとを繋ぐ、橋渡しの役割を果たします。プランの内容が曖昧であったり、専門的な記述が不足していたりすると、双方の認識にズレが生じやすくなります。
試験内容に関する質疑応答に時間がかかり、スムーズな試験進行を妨げる原因となります。明確なテストプランは、円滑なコミュニケーションの基盤でもあるのです。
インターテックジャパンの有償サービス:EMCテストプラン作成支援
EMCテストプランの作成には専門知識が必要であり、ミスは大きなリスクにつながります。こうした課題を解決するため、弊社では、EMC試験、該当規格に精通した弊社のエキスパートがお客様のテストプラン作成を「プロフェッショナルによる有償サービス」としてサポートし、EMC試験の品質と確実性を向上いたします。
また、お客様から製品の仕様、用途、ターゲット市場などの情報をヒアリングし、製品仕様に合わせたカスタムプランを構築します。なお、対応規格は IEC 60601-1-2(医療機器のEMC)やIEC 61326-1(試験・測定・制御機器)、CISPR 32/CISPR 35(マルチメディア機器)などが挙げられます。
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【実例紹介】実際のテストプラン(抜粋)を公開
EMCテストプランを具体的にイメージいただくために、作成に必要となる情報の代表的な項目例を以下に示します。これらの情報を網羅することで、試験機関との認識齟齬を防ぎ、スムーズな試験進行が可能になります。
- 製品の基本情報
製品名、モデル名、バージョン情報など、試験対象を特定するための情報。 - 適用規格
製品の特性や販売する国・地域に応じて適用されるEMC規格名(例: IEC 60601-1-2, CISPR 35/CISPR 35)。 - EUT(試験対象機器)の構成
試験に用いる本体、ACアダプタ、周辺機器、ソフトウェアなどの一覧。 - ケーブル情報
EUTに接続する全ケーブルの種類、長さ、シールドの有無など。 - EUTの動作モード
試験中にEUTを動作させる具体的なモード。製品の代表的な使用状態やEMCの観点からワーストとなり得る状態をシミュレーションするモード(例: 最大負荷モード、通信モードなど)を定義します。 - 試験項目
適用規格で要求されるエミッション測定やイミュニティ試験の全項目。 - 各試験のセットアップ
試験項目ごとの機器の構成、周辺機器との接続図。 - 性能評価基準
イミュニティ試験中にEUTが正常に動作しているかを判断するための具体的な基準(例: 「画像の乱れがないこと」「通信エラー率がX%以下であること」など)。
有償サービスを利用することで得られる具体的なメリット
専門家によるテストプラン作成支援サービスは、時間やコスト、リスク管理の観点から、お客様のビジネスに具体的なメリットをもたらす「投資」としての価値があります。
EMC経験が浅いチームでも、確実な試験準備が可能に
チーム内にEMCの専門知識を持つ担当者がいない場合でも、弊社のサービスを利用することで、専門家がサポートした的確なテストプランに基づいた準備を進めることができます。これにより、知識不足による準備の漏れや間違いを防ぎ、自信を持って試験当日を迎えることが可能になります。担当者の精神的な負担を大幅に軽減し、チーム全体のパフォーマンス向上にも貢献します。
自社で作成するより、時間・人的リソースを最適化できる
自社でゼロから規格を調査し、テストプランを作成するには、膨大な時間と労力が必要です。EMC試験実施前は、開発過渡期で多忙な時期と重なります。
弊社がテストプラン作成をサポートすることで、テストプラン作成にかかる作業の軽減が可能となります。その結果として、エンジニアは製品の品質向上や新機能開発といった、本来注力すべきコア業務に集中でき、社内の人的リソースを最も効率的かつ効果的に活用することにつながり、開発全体の生産性が向上します。
試験当日のトラブル・手戻りを防ぎ、スケジュール通りの進行を支援
専門家が作成したテストプランは、必要な試験項目や条件が網羅されているため、当日の「想定外」のトラブルを最小限に抑えることができます。
試験機関との認識合わせもスムーズに進み、計画通りに試験を完了できる可能性が飛躍的に高まります。再試験のリスクが低減されることで、プロジェクトのスケジュール遅延を防ぎ、計画通りの製品リリースを強力に後押しします。
結果的にコスト削減につながる「投資」としての価値
テストプラン作成サービスには費用がかかりますが、再試験にかかる費用や、製品の市場投入が遅れることによる機会損失を考慮すれば、有効な投資と言えます。一度の再試験で数十万円以上のコストが発生することも珍しくありません。
「確実なプランで一発合格を目指す」ことは、最終的にプロジェクト全体のトータルコストを削減する最も賢明な選択です。
料金・提供フローの概要
弊社のEMCテストプラン作成支援サービスの料金および提供フローは、製品の複雑さや適用規格によって異なります。まずは状況をヒアリングさせていただき、最適なプランと合わせて個別にお見積もりを提示いたします。
お問い合わせ・ご相談はこちら
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EMC試験実施前は開発過渡期で多忙になりますが、インターテックジャパンがテストプラン作成のサポートをすることで、エンジニアの負担軽減と、効率的なテストプラン作成が可能となります。また、試験準備中の企業様は早期の相談をお勧めします。
専門スタッフによる事前アセスメント(無料)も可能ですので、お問い合わせは下記よりお願いいたします。









