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電波法|無線機器の製造・販売に必要な技術基準適合と校正の要点

コラム

 

無線LAN、Bluetooth、携帯電話など、電波を利用する機器を日本国内で製造・販売するためには、

電波法に基づく適切な対応が不可欠です。

技適マークの取得や測定機器の指定較正など、複雑な法規制要件を正しく理解しなければ、

製品回収や事業停止といった深刻なビジネスリスクを招く可能性があります。

本記事では、電波法の基本概要から技術基準適合の仕組み、違反時の罰則、さらに測定機器の校正要件

まで、無線機器業界の企業が押さえておくべき要点を解説します。

法規制への確実な対応により、安心して日本市場でのビジネス展開を実現するための

実践的な知識を身につけましょう。

インターテックジャパン 電気・電子部門
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電波法とは?無線機器に必須の「技適マーク」

電波法は日本における電波利用の基盤となる法律であり、無線通信機器の製造・販売には避けて

通れない重要な規制です。特に技適マーク制度は、小規模な無線機器の利便性を確保しつつ、

適切な電波管理を実現する特例措置として機能しています。

 

電波法の基本理念と目的

電波法は昭和25年(1950年)に制定された法律で、「電波の公平かつ能率的な利用を確保し、

公共の福祉を増進すること」を目的としています。

有限で貴重な電波資源を効率的に活用し、無線通信における混信や妨害を防止することで、

社会全体の利益を守る役割を担っています。

原則として、無線機器を使用する際は総務大臣による免許が必要ですが、

携帯電話やWi-Fi機器などの特定無線設備については、使用者の利便性を考慮した特例措置が

設けられています。

 

技適マークの役割と重要性

技適マークとは「技術基準適合証明」の略称で、特定の小規模な無線機器が電波法に基づく技術基準に

適合していることを証明し、免許手続きを免除するための特例措置です。

このマークが付与された機器は、無線局の免許申請時における検査が省略されるなど、簡易な手続きで

使用することが可能になります。

技適マークには以下の特徴があります。

 

  • 固有認証番号の付与:各認証に対して固有の番号が割り振られる
  • 表示場所の柔軟性:機器本体、ディスプレイ、取扱説明書等に表示可能
  • 視認性要件:「表示を容易に識別することができること」が求められる

 

重要な点として、技術基準適合証明等を受けていない機器への技適マーク表示は

電波法第38条の7第3項により厳格に禁止されており、

違反した場合は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

 

電波法が求める技術基準と違反リスク

電波法では無線機器の認証において複数の制度が設けられており、製造・販売事業者は適切な認証制度

の選択と測定機器の校正義務を理解する必要があります。

また、違反時には重い刑事罰が科せられるため、確実な法令遵守が求められます。

 

2つの主要な認証制度の比較

電波法における無線機器認証には、用途と生産規模に応じて選択できる2つの主要な制度があります。


認証制度

技術基準適合証明

工事設計認証

対象

製品の個体ごと

設計および品質管理方法

適用場面

少量生産品・試作品

大量生産品

試験方法

1台ごとの個別試験

設計図と品質管理の審査

申請者

誰でも申請可能

製造・販売・輸入業者

マーク付与

登録証明機関が付与

認証取扱業者が付与

主な義務

なし

工事設計合致義務・検査記録の保存

 

技術基準適合証明の特徴

技術基準適合証明は、総務大臣の登録を受けた登録証明機関が、特定無線設備について電波法に定める

技術基準への適合性を無線設備1台ごとに判定する制度です。総務省令で定める試験方法により、

個別の審査を経て証明が行われます。

この制度は申請に制限がなく、誰でも利用できるため、主に少量生産品や開発段階の製品に適用される

ことが多くなっています。

 

工事設計認証の仕組み

工事設計認証は、特定無線設備が技術基準に適合しているかの判定について、製品そのものではなく

設計図(工事設計)と製造段階における品質管理方法を対象とする認証制度です。

認証を受けた者(認証取扱業者)には以下の義務が課せられます。

 

  • 工事設計合致義務:申請した設計図通りに製品を製造する義務
  • 検査記録保存義務:確認方法書に従った検査実施と記録保存の義務

 

測定機器の指定較正義務

無線機器の試験・検査を行う登録検査等事業者等は、使用する測定器について総務大臣が指定した指定

較正機関で定期的な校正を受けることが法律により義務付けられています。

この制度により、測定の精度と信頼性が確保され、認証制度全体の信頼性が担保されています。

 

指定較正対象となる測定器等

  • 周波数計
  • スペクトル分析器
  • 電界強度測定器(受信器、アンテナ、測定経路)
  • 高周波電力計
  • 電圧電流計
  • 標準信号発生器
  • 周波数標準機

これらの測定器は原則として1年を超え3年を超えない定期較正が義務付けられており、

較正を受けた測定器には較正ラベルが貼付され、較正証明書が発行されます。

較正の実施により、国の標準に結ばれたトレーサビリティが確保されます。

 

電波法違反の重い罰則

電波法違反は刑事罰の対象となる重大な法令違反であり、企業活動の継続に深刻な影響を与える可能性

があります。近年は総務省による監視体制も強化されており、適切な法令遵守が不可欠です。

 

主要な違反行為・罰則内容


違反行為

罰則内容

無免許・無登録での無線局開設

1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金

遭難通信の取扱をしない行為・遭難通信の妨害

1年以上の有期拘禁刑

わいせつな通信を発する行為

2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金

虚偽の通信を発する行為

3年以下の拘禁刑または150万円以下の罰金

近年では、総務省による「無線設備試買テスト」という検査も実施されています。

これは市場に流通している無線設備が技術基準に適合しているかを確認するもので、

違反が発見された場合は販売の中止や改善策の要請が行われます。

 

インターテックジャパンの電波法適合支援サービス

インターテックジャパンは総務省認定の指定較正機関・登録認証機関として、電波法に関する包括的な

サービスを提供しています。

長年培った専門知識と国際的なネットワークを活用し、お客様の法規制対応を確実にサポートします。

 

総務省登録の電波法指定較正サービス

インターテックジャパンは2013年2月6日に電波法第102条の18第1項の規定に基づき、

指定較正機関として総務大臣の指定を受けました。

この公的認定により、登録検査等事業者等が使用する測定器等の較正業務を専門的に実施しています。


項目

内容

メリット

短納期対応

被較正測定器到着から約1週間

事業活動への影響を最小限に抑制

コスト効率

NVLAP認定校正との同時依頼で費用削減

複数認証の効率的な取得

出張サービス

アンテナ以外の機器で出張較正対応

輸送リスクと梱包作業を削減

専用設備環境

アンテナ較正専用テストサイト完備

高精度な較正結果を保証

 

国内無線認証サービスの提供

インターテックジャパンは国内電波法に基づき、登録認証機関として総務省に登録されており、

特定無線設備の技術基準適合証明および工事設計認証業務を提供しています。

登録証明機関として、特定無線設備の審査を行い、その設備が技術基準に適合しているかを専門的に

判定・証明します。技適マークは、この技術基準適合証明および工事設計認証を受けて表示される

マークとして、適切な認証プロセスを経て付与されます。

豊富な実績と専門知識により、お客様の製品特性や事業戦略に最適な認証アプローチを提案し、

効率的な市場投入をサポートします。

インターテックジャパン 電気・電子部門
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電波法への確実な対応でビジネスリスクを回避

電波法への適切な対応は、無線機器関連事業の成功において不可欠な要素です。

法令違反による重大なビジネスリスクを回避し、持続可能な事業展開を実現するためには、

専門機関との戦略的な連携が重要になります。

 

法令遵守がもたらす事業価値

電波法への適合は、無線機器の製造・販売における必須条件であり、違反は事業活動の根幹を揺るがす

重大なリスクを招きます。適切な法令遵守により、以下の事業価値を実現できます。

 

リスク回避の効果

  • 製品回収・販売停止の防止
  • 刑事罰(拘禁刑・罰金)の回避
  • 企業信頼性の維持・向上
  • 継続的な事業運営の確保

 

市場競争力の向上

  • 適法性を担保した安心できる製品提供
  • 取引先や顧客からの信頼獲得
  • グローバル展開における基盤構築
  • サプライチェーン全体での信頼性確保

特に海外企業が日本市場に参入する際、電波法への適切な理解と対応は

事業成功の決定的な要因となります。

電波法指定較正や国内無線認証に関するご相談、お見積りについては、

インターテックの専門スタッフが詳細にご対応いたします。

複雑な法規制要件について、実践的なアドバイスと確実な認証・較正サービスを通じて、

お客様のビジネス成功をサポートします。

インターテックジャパン 電気・電子部門
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電波法を正しく理解し、安心のビジネス展開へ

電波法は無線通信の秩序を保つための重要な法律であり、技適マークの取得や測定器の指定較正は

法令遵守のための不可欠なプロセスです。技術基準適合証明と工事設計認証の二つの認証制度は、

それぞれ異なる事業形態に対応しており、適切な制度選択が重要になります。

電波法違反に対する罰則は拘禁刑を含む重いものであり、近年は総務省による市場監視も強化されて

います。複雑な法規制要件への適切な対応には専門知識が不可欠であり、総務省認定機関との連携に

より、確実な法令遵守と安心したビジネス展開を実現することができます。

電波法指定較正や国内無線認証に関するご相談、お見積りについて、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

2005年にインターテックジャパン株式会社に入社。電気・電子部門の営業として、主にIT機器、医療機器、家電製品のEMC試験、無線試験、PSE試験などの各種試験・認証業務に従事。