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2025/09/18

ニュース

欧州無線機器指令(RED)のサイバーセキュリティ要件対応規格であるEN 18031をポイント解説!

REDサイバーセキュリティ要件とEN 18031

2025年8月1日、EU市場における無線機器の販売環境が大きく変化しました。欧州無線機器指令(Radio Equipment Directive:RED)に新たなサイバーセキュリティ要件が
追加され、BluetoothやWi-Fiなどの無線機能を搭載した
機器には従来の安全性要件に加えてサイバーセキュリティ対策の実装と証明が義務付けられました。

本記事では、この新要件に対応するための技術基準であるEN 18031規格の詳細から、具体的な適合プロセス、そして企業が取るべき戦略的対応までを包括的に解説します。最後まで読んで、法的リスクを回避し、EU市場での継続的な事業展開を実現するための実践的な知識を得ましょう。

※重要: 2025年8月1日以降、要件に適合しない無線機器は欧州市場での販売が禁止されています。



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1. 欧州無線機器指令(RED)のサイバーセキュリティ要件


欧州無線機器指令(RED)は、EU域内で販売される無線機器の安全性と相互運用性を確保するための重要な法的枠組みです。2025年8月からの新要件導入により、無線機器メーカーは従来にない課題への対応が求められています。


1.1. REDの背景と新要件の必要性

欧州無線機器指令は、無線機器の技術的適合性を確保し、電波の有効利用と利用者の安全を保護するための指令として機能してきました。しかし、IoT機器の急速な普及とネットワーク接続の常態化により、無線機器を標的としたサイバー攻撃が深刻な社会問題となっています。

これらの脅威に対応するため、欧州委員会は2025年8月1日から、REDにサイバーセキュリティ要件を新たに追加することを決定しました。この要件は、単なる技術的制約ではなく、デジタル社会の安全性確保に向けた包括的な取り組みの一環として位置づけられています。

 

1.2. 対象製品の広範な範囲

REDのサイバーセキュリティ要件は、Bluetooth、Wi-Fi、RFID、Zigbee、LoRaWANなどの無線通信機能を搭載した機器全般が対象となります。重要なのは、インターネットに直接接続しない機器や、ファイアウォール環境下での使用に限定される機器も対象となる可能性があることです。


具体的に、以下のようなケースでも要件の対象となる可能性があります。


  • ・無線機能としてBluetoothやRFIDのみを搭載し、Wi-Fiは搭載していない機器
  • ・インターネットへの接続がスマートフォンを介した間接接続に限定される機器
  • ・企業内ネットワークなど、制限された環境での使用を前提とする機器

これはEN 18031の対象範囲が特定のプロトコルや接続形態に限定されず、無線機器が持つ潜在的なセキュリティリスク全般を対象としているためです。

 

1.3. 義務化によるインパクト

2025年8月1日以降、サイバーセキュリティ要件に適合しない無線機器は、欧州市場での販売が禁止されます。これは、既存の製品であっても例外ではなく、継続販売のためには新要件への適合が必須となります。

違反した場合のペナルティは深刻で、巨額の罰金、製品リコール、市場アクセスの永続的な制限など、企業の事業継続に致命的な影響を与える可能性があります。また、ブランドイメージの毀損や顧客からの信頼失墜など、数値化困難な損失も考慮する必要があります。

 

2. EN 18031が示すセキュリティ基準と適合の重要性


EN 18031は、REDのサイバーセキュリティ要件に適合するための具体的な技術基準を定めた整合規格(harmonized standard)です。この規格への適合により、企業は法的要件を満たしていることを客観的に証明できます。

 

2.1. EN 18031規格の基本的な位置づけ

EN 18031は、European Telecommunications Standards Institute(ETSI)によって開発された技術規格で、REDのサイバーセキュリティ要件に適合するための実践的なガイドラインを提供します。
整合規格としての地位により、この規格に適合した製品は、REDの関連要件を満たしているものと推定されます。

この規格は、無線機器が直面する現実的なサイバーセキュリティ脅威を分析し、それらに対する効果的な対策を技術的に実装するための方法論を提供しています。
単なる理論的な安全性ではなく、実用的な環境における脅威への耐性を重視した内容となっています。

 

2.2. EN 18031の具体的要求事項

EN 18031では、無線機器が現実的に直面するサイバーセキュリティ脅威に対する具体的な防御機能の実装を求めています。

要求事項カテゴリ 主な対策内容 具体的な実装例
ネットワーク
セキュリティ対策
不正アクセスの防止と通信の保護 ・デフォルトパスワードの廃止
・強固な認証プロトコルの採用
・通信経路の暗号化
・不正アクセス試行の検出と遮断
データ完整性の保護 データ改ざんの防止と検証 ・デジタル署名の実装
・ハッシュ値検証機能
・データベースの暗号化
・改ざん検知システム
セキュリティ
アップデート機能
脆弱性対応のための安全な更新機能 ・更新データの完整性検証
・更新プロセスの認証機構
・セキュアな配信メカニズム
・ロールバック機能

 

2.3. 適合性の証明プロセス

EN 18031への適合は、単なる設計上の配慮では不十分で、実際の機器を用いた試験による客観的な証明が必要です。試験では、規格で定められた各種攻撃シナリオに対する機器の耐性が詳細に評価されます。 試験項目には、パスワード攻撃、通信傍受、データ改ざん、ファームウェア操作など、現実的な攻撃手法に対する防御能力の検証が含まれます。これらの試験を通じて、理論上の安全性ではなく、実環境における実効的な安全性が確認されます。


2.4. 非適合のリスクと影響

EN 18031への非適合は、法的リスクにとどまらず、企業の競争力と市場地位に深刻な影響を与えます。欧州市場からの排除により、売上機会の喪失、サプライチェーンからの除外、パートナー企業との関係悪化などの連鎖的な影響が生じる可能性があります。 また、サイバーセキュリティ要件への対応の遅れは、企業の技術力や品質管理体制に対する市場の信頼を損なう要因ともなります。特に、セキュリティが重視される産業分野においては、認証取得の有無が調達の前提条件となるケースが増加しています。


3. EN 18031認証取得のプロセスとパートナー選び


EN 18031認証取得のプロセスとパートナー選び


EN 18031への適合は、技術的な複雑さと法的要件の厳格さにより、専門的な知識と経験を持つパートナーとの協力が
不可欠です。効率的で確実な認証取得のため、体系的なアプローチが求められます。



3.1. 認証取得の基本プロセス

EN 18031への適合認証は、初期診断から最終的なノーティファイドボディへの申請まで、段階的なプロセスを経て進められます。


プロセス段階 実施内容 主なアウトプット
規格適合性の初期診断 製品が EN 18031の対象範囲に含まれるかの判定/
無線機能、ネットワーク接続性、データ処理能力等の分析
・対象性判定結果
・無料スコープ診断レポート
・規格要件との対応関係の明確化
包括的なギャップ分析 現在の実装状況と規格要求事項との差異を特定/
追加すべき機能や修正要素の明確化
・ギャップ分析レポート
・製品改修計画
・開発スケジュールの基礎
適合試験の実施 規格準拠環境での製品セキュリティ性能評価
(攻撃耐性検証、脆弱性確認等)の実施
・詳細な試験結果レポート
・セキュリティ機能動作確認書
・技術文書/作成用データ
ノーティファイドボディ(NB)への申請 技術文書、試験結果、適合宣言書等の整備/
NB による書類審査と最終認証
・適合証明書
・CEマーキング取得資格
・EU 市場での販売許可

3.2. パートナー選定の重要な判断基準

EN 18031認証の成功は、技術的専門性と実践的サポート能力を兼ね備えた適切なパートナーの選択に大きく依存します。


判断基準 重要性 確認すべきポイント
技術的専門性と
日本語対応能力
規格の正確な理解と適用に不可欠 ・複雑な規格要件を日本語で分かりやすく説明できる専門家の存在
・規格条文の解釈、試験方法の選択、技術文書作成の支援能力
・実践的な解決策を提案できる技術力
グローバルな情報収集力
と最新動向への対応
規制環境の変化への迅速な対応 ・欧州拠点からの最新情報をタイムリーに入手できる情報ネットワーク
・規制の変更、試験方法の更新、認証プロセス改定への対応力
・競合他社動向や市場情報の提供能力
国内試験環境の整備状況 プロジェクトの効率性
と確実性を左右
・製品の輸出手続きが不要な国内試験環境の有無
・問題発見時の迅速な対応と改修・再試験のスピード
・輸送コストとスケジュール管理の負担軽減


4. インターテックジャパンのREDサイバーセキュリティ要件適合支援サービス


インターテックジャパンでは、REDサイバーセキュリティ要件への適合を包括的にサポートする専門サービスを提供しています。豊富な経験と技術的専門性を活かし、お客様の製品が確実に要件を満たすよう支援します。


4.1. 包括的な適合支援プロセス

お客様の製品特性と事業要件に応じて、最適な認証取得戦略を策定し、プロジェクト全体をサポートします。技術的な課題の特定から解決策の実装、試験の実施、認証機関との調整まで、ワンストップでのサービス提供により、お客様の負担を最小限に抑えます。 特に、EN 18031の複雑な技術要件を日本語で分かりやすく説明し、実装上の課題に対して実践的なソリューションを提案することで、確実で効率的な適合プロセスを実現します。


4.2. グローバルネットワークを活用した最新情報提供

インターテックのグローバルネットワークを通じて、欧州の最新規制動向、技術基準の更新情報、認証プロセスの変更などをタイムリーに入手し、お客様に提供します。これにより、規制環境の変化に迅速に対応し、認証取得の確実性を高めることができます。 また、欧州各国での市場動向、競合他社の対応状況、ビジネス機会の分析などの情報も提供し、お客様の戦略的意思決定をサポートします。


【インターテックジャパンに依頼するメリット】

・専門家によるサポート
REDのサイバーセキュリティ要件に関する専門家が、製品開発から市場投入までをサポートします。

・ワンストップソリューション
REDに求められる安全性、EMC、無線試験に加えて、
サイバーセキュリティ要件にもワンストップで対応します。

・国内での試験実施
国内の試験施設で試験を実施でき、輸送時間やコストを削減できます
(※製品種別・試験内容により国内対応不可の場合あり)。


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5. REDのサイバーセキュリティ要件への対応で欧州市場を守る


REDサイバーセキュリティ要件への適合は、単なる規制遵守を超えて、企業の競争力強化と持続的成長を実現するための戦略的投資です。

2025年8月1日から義務化されたREDサイバーセキュリティ要件は、EU市場における無線機器ビジネスの新たなスタンダードとなりました。
EN 18031規格への適合は、法的リスクの回避だけでなく、製品の信頼性向上、顧客からの信頼獲得、サイバーリスク
からの保護という多面的な価値を提供します。

適合への取り組みは、製品の技術的優位性を証明し、セキュリティを重視する市場での差別化要因となります。
特に、産業用IoT、スマートホーム、ヘルスケア機器など、セキュリティが重視される分野では、EN 18031適合が事実上の参入要件となりつつあります。

規制を遵守することは、市場での販売継続を保証するだけでなく、製品の信頼性を高め、サイバーリスクから顧客を
守るための重要な経営戦略です。
早期の対応により、市場での先行者利益を獲得し、長期的な競争優位性を確立することが可能になります。

インターテックジャパンは、REDサイバーセキュリティ要件への確実な適合を通じて、お客様の欧州市場での成功を
全力でサポートいたします。
EN 18031適合性評価、無料相談、認証取得支援に関するお問い合わせは、以下よりお気軽にご連絡ください。



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