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2025/09/12

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機械指令(MD)から機械規則(MR)へ!EU市場で必須となる最新の機械安全基準

機械指令(MD)から機械規則(MR)へ!EU市場で必須となる最新の機械安全基準

EU市場への機械製品投入において、2027年1月20日に現行の機械指令(Machinery Directive:MD)が廃止され、新たな機械規則(Machinery Regulation:MR)が適用されます。
この変化は単なる法的形式の変更にとどまらず、サイバーセキュリティやAI技術への対応など、機械安全に関する全く新しい要件の導入につながります。
本記事では、現行の機械指令の要件から機械規則への変更点、そして企業が取るべき対応策まで、EU市場で成功するために必要な知識を包括的に解説します。
規制変更への適切な準備と競争優位性の確保を実現するために参考にしてください。




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1. 機械指令(MD)から機械規則(MR)へ、EUの機械安全基準の全体像


EU市場における機械製品の流通は、統一された安全基準によって厳格に管理されています。
現在はこの基準の大きな転換点にあり、企業は現行制度と新制度の両方を理解して適切に対応することが求められています。


1.1. 現行の機械指令(MD)とCEマーキングの関係

EU市場での機械販売に不可欠なCEマーキングの根拠となるのが、現行の機械指令(2006/42/EC)です。
この指令は、EU域内で販売される機械の最低限の安全要件を定め、製造者に適合性評価の実施を義務付けています。

機械指令は、EU域内の機械の安全性を確保し、自由な流通を促すための基本的な法的枠組みを提供しています。
製造者や輸入者には、製品の安全性確保と市場での自由な流通の保証という、二つの重要な責任を果たす役割が課されています。
しかし、この指令は2027年1月20日に廃止され、新たな機械規則(Machinery Regulation)が適用されることが決定されています。
この変更は、技術革新や新たな安全リスクに対応するための必然的な進化といえます。


1.2. 機械指令から機械規則への移行の必要性

現行の機械指令は2006年に策定されたもので、当時の技術水準と安全リスクを前提としています。
しかし、IoT(モノのインターネット)、人工知能、ロボティクス技術の急速な発展により、従来の安全概念では対応しきれない新しい課題が生じています。
従来の物理的な安全対策だけでは、デジタル化された機械の包括的な安全性を確保することが困難になっています。
特に深刻なのは、サイバー攻撃のリスク増大です。ネットワークに接続された産業用機械への不正侵入により、制御システムが改ざんされたり、安全機能が無効化されたりする危険性が現実のものとなっています。
従来の機械指令では、このようなサイバーセキュリティ脅威は想定されていませんでした。
機械規則は、これらの現代的な課題に対応するための包括的な安全基準として設計されています。


2. なぜ機械指令と機械規則の両方を理解する必要があるのか


企業がEU市場での競争力を維持するためには、現行制度と新制度の両方を深く理解し、段階的な対応戦略を構築することが不可欠です。


2.1. 現行の機械指令(MD)が求める適合要件

現行の機械指令では、製品が最低限の安全基準を満たしていることを証明するため、必須健康安全要求事項(Essential Health and Safety Requirements:EHSR)に適合する必要があります。

適合性評価プロセスは、主に以下の内容で構成されています。


  • リスクアセスメントの実施:機械の使用における潜在的な危険を特定し、適切な安全対策を講じることを証明する体系的な評価プロセスです。

  • 技術ファイルの作成:製品の設計、製造、安全性に関する詳細な文書を整備し、規制当局の要求に応じて提示できる状態を維持する必要があります。

  • 適合宣言書の発行:製造者が製品の法規制適合を正式に宣言し、CEマーキングを貼付するための法的根拠となる文書を作成します。

2.2. 法的拘束力の重要な違い

機械指令と機械規則の間には、法的効力において重要な違いがあります。
現行の機械指令は、EU加盟各国が国内法に転換して実施する形式を取っています。
このため、国によって解釈や運用に若干の差異が生じる可能性がありました。
一方、新しい機械規則は、EU加盟国で国内法への転換なしに直接適用される法的拘束力を持ちます。
これにより、EU域内での法的整合性と一貫性がより強化され、企業にとってはより明確で統一された規制環境が実現
されます。


3. 機械規則の主な変更点と、それに伴う対応プロセス


機械規則の主な変更点と、それに伴う対応プロセス


機械規則は、現代の技術的課題に対応するため、従来の機械指令から大幅な拡張と更新を行っています。
企業は、これらの変更点を正確に把握し、適切な対応策を講じる必要があります。


3.1. 新規則の主要な変更点

機械規則になることでの主な変更点をお伝えします。


3.1.1. サイバーセキュリティ要件の導入

機械規則における最も重要な新要素は、包括的なサイバーセキュリティ要件の導入です。
ソフトウェアやデータへの不正アクセス、改ざん防止など、機械の安全機能をサイバー攻撃から守るための具体的な
要件が新たに追加されます。
これには、セキュアな通信プロトコルの実装、アクセス制御機構の強化、ソフトウェアアップデートの安全な配信メカニズムの確立などが含まれます。
特に、産業用IoT機械や遠隔制御可能な機械においては、これらの要件への適合が事業継続の前提条件となります。


3.1.2. AI・機械学習の安全性要件

AI機能が組み込まれた機械に対しては、従来のリスクアセスメントでは捉えきれない新たな視点が求められます。
機械学習アルゴリズムの予測困難性、学習データの品質管理、AI判断の透明性とトレーサビリティの確保などが重要な要件として追加されます。


3.1.3. ノーティファイドボディ(NB)評価対象の変更

第三者機関による評価が必要な製品カテゴリーに重要な変更があります。
従来は第三者評価が義務付けられていた製品の一部が自己宣言可能になる一方で、
安全に関するAI技術を使用している製品や高度なサイバーセキュリティ機能を持つ製品など、
新たに第三者評価が義務付けられる製品カテゴリーも登場します。


3.1.4. 技術文書のデジタル化促進

取扱説明書やメンテナンス文書などの技術文書を電子形式で提供することが正式に認められます。
これにより、多言語対応の効率化や情報の更新頻度向上が可能になりますが、
同時にデジタル文書の可用性確保や長期保存に関する新たな要件も生じます。


3.2. 適合性評価プロセスの進化

機械規則では、従来の適合性評価プロセスが大幅に拡張され、新たな技術的要件に対応した評価手法が求められます。
企業は、この進化したプロセスを理解し、適切な準備を行う必要があります。


3.2.1. 拡張されたリスクアセスメント

新たな機械規則下では、従来の物理的安全性に加えて、サイバーセキュリティリスクとAI関連リスクを包含した包括的なリスクアセスメントが不可欠となります。
これには、潜在的なサイバー攻撃シナリオの分析、AI判断における誤作動リスクの評価、システム間の相互作用による複合的リスクの検討などが含まれます。
リスクアセスメントのプロセス自体も、より体系的で文書化された手法が求められます。

3.2.2. 高度化された技術文書(テクニカルファイル)

製品の安全性を示す技術文書は、新しい要件に対応してより詳細で包括的な内容が求められます。
従来の機械設計情報に加えて、サイバーセキュリティ対策の実装状況、AI機能の安全性検証結果、ソフトウェアの品質保証プロセスなどが含まれる必要があります。


3.2.3. 適合宣言とCEマーク表示の厳格化

製品が全ての関連規則に適合していることを宣言する適合宣言書は、新しい要件を反映してより詳細な内容が求められます。


4. インターテックジャパンの機械安全適合支援サービス


インターテックジャパンでは、現行の機械指令から新しい機械規則への移行期間において、企業の適合性評価を包括的にサポートする専門サービスを提供しています。


4.1. CEマーキング適合支援サービス

欧州市場に流通・販売する製品には、CEマーキング貼付が義務づけられています。
製品を欧州市場で販売する場合は、事前に関連する製品指令の要件に適合していることを証明しなければならず、
これらの指令は、欧州連合(EU)の加盟国への貿易と加盟国間の貿易を簡素化するために施行された共通規則です。

インターテックジャパンでは、機械指令を含むCEマーキングに関連する指令に対する各種サービスの提供が可能です。
経験豊富な技術者が、お客様の製品特性に応じた最適な適合性評価プロセスを設計し、効率的なCEマーキング取得を
支援します。


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4.2. 包括的な製品安全評価

電気製品(完成品)を海外に出荷する際、国ごとに製品の安全規格をクリアしていることを証明する認証書が必要になります。
弊社では、製品が各国の安全規格要求を満たしているかの評価試験を行い、認証書を発行いたします。

安全認証マークは、お客様の製品(モデル)が適用規格に準拠していること、
および実施中の工場検査制度下にあることを公的に示す証明になります。
お客様の製品が安全試験および認証を完了したことを市場に周知することにより、製品に対する信頼性を向上させる
ことが可能になります。


4.3. A2LA認定による信頼性の高いサービス

弊社は、A2LA認定試験所として、国際的に認められた品質管理体制の下で各種安全規格についてのA2LA、iLacレポート発行が可能です。この認定により、お客様は以下のメリットを享受できます:


  • 国際的な相互承認:一度の試験で複数国での要求を満たすことが可能

  • 高い技術的信頼性:厳格な品質管理基準に基づく正確な評価

  • 迅速なサービス提供:効率的なプロセスによる短期間での結果提供

機械規則への移行期間においても、最新の規制要件に対応した適切な評価サービスを継続的に提供し、
お客様のEU市場での事業継続を支援いたします。


【インターテックジャパンに依頼するメリット】

・ワンストップソリューション
機械のCEマーキング取得プロセスに必要なリスクアセスメントの評価、
適合性試験(EMC、電気安全など)をワンストップでサポートします。

・専門知識と豊富な実績
長年にわたる機械指令(MD)の適合支援で培った実績と専門知識を活かし、
新たな機械規則(MR)へのスムーズな移行を支援します。

・グローバルな対応力
世界各地に広がるネットワークを活かし、EU以外の各国の規制や認証にも対応します。

・迅速かつ効率的なプロセス
お客様の製品開発タイムラインに合わせて、迅速かつ効率的な評価・試験プロセスを提案します。

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5. 機械指令から機械規則へ、確実な対応でEU市場を勝ち抜く


機械指令から機械規則への移行は、EU市場における機械安全の概念を根本的に変革する歴史的な転換点です。
現行の機械指令への適合を確実に維持しながら、新しい機械規則への準備を段階的に進めることが、EU市場での持続的成功の鍵となります。

2027年の施行まで残された時間を有効活用し、サイバーセキュリティ対策、AI安全性評価、デジタル化対応などの
新要件への準備を計画的に実施する必要があります。
規制の変更をいち早く捉え、適切に対応することが、EU市場での競争優位性を確保する決定的な要素になります。

機械規則への対応は、コンプライアンス要件の充足にとどまらず、製品の技術的優位性と市場価値の向上にも直結します。
特に、サイバーセキュリティとAI安全性の要件は、今後のデジタル化社会において不可欠な技術要素となるため、
早期対応により将来の技術トレンドを先取りした競争力の高い製品開発が可能になります。


インターテックジャパンは、機械指令から機械規則への円滑な移行を通じて、お客様のEU市場での成功を全力でサポートいたします。

機械安全適合性評価、CEマーキング取得支援、新規制への対応戦略に関するご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
豊富な経験と最新の規制知識を活かし、お客様の製品がEU市場で確実に成功できるよう、包括的な支援サービスをご提供いたします。



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