2025/09/24
ニュース
【EU新機械規則2023/1230】~2027年施行!デジタル時代の“安全”が、ものづくりを変える~
AI搭載機械、ネット接続機器、改造機械を扱う製造業者・開発者の皆さまへ。
2027年1月、ヨーロッパにおける「機械の安全ルール」が一新されます。
これまでの常識が通用しなくなる――その本質と備えるべきこと、あなたはご存じですか?
◆ついに来た、“デジタル時代の安全規制”
長年使われてきた旧・機械指令(2006/42/EC)に代わり、新たなEU規則「機械規則(EU)2023/1230」が2023年に発効。
2027年1月からはEU全域で義務化され、すべての企業に同一ルールが強制適用されます(※指令ではなく「規則」なので
各国ごとの解釈なし)。
この規則のキーワードは:
・AI・機械学習
・サイバーセキュリティ
・デジタル文書管理
・ライフサイクル全体の安全責任
つまり、単に機械の安全性を確保するだけでは不十分。
“つながる・進化する・自律する”機械に対し、設計・改造・廃棄に至るまでの全リスクを見える化・対策しなければならなくなります。
◆特に注意すべき7つのポイント
1. 安全に関わるAI搭載=高リスク扱いに
安全に関わるAIや機械学習による制御を含む機械は**“高リスク機械”に分類**され、CEマーキングの自己宣言が不可に。
第三者認証機関(Notified Body)による審査が義務化されます。
「進化するアルゴリズム」「予測不能な挙動」など、従来にはなかったリスクも評価対象です。
2. サイバー攻撃も“安全リスク”とみなされる
USB経由、Wi-Fi、悪意あるアップデートなどで制御システムが侵害される恐れがある場合、安全性そのものに影響します。
これからはサイバーセキュリティ対策もリスクアセスメントに必須となります。
3. 紙のマニュアルは“リクエストベース”に
操作説明書、適合宣言書、技術文書は原則デジタル提供が主流へ。
セキュリティとアクセス性の確保が求められます。
4. 改造したら“製造者”と見なされる
制御装置の変更や自動化機能の追加など、「実質的な改造」を加えた場合、法的に“製造者”扱いに。
CEマークの再取得、文書の更新、再評価が義務付けられます。
5. ライフサイクル全体でリスク管理
設置・使用中だけでなく、保守・廃棄・誤使用に至るまでリスク想定が必要です。
予期しない使われ方をされた際にも、メーカーが責任を問われる可能性あり。
6. 全関係者に新たな責任が発生
製造者だけでなく、販売代理店、輸入業者、統合業者も法的責任の対象に。
すべてのサプライチェーンでルールを共有・理解する必要があります。
7. 42か月の移行期間は折り返しに
公布:2023年6月
発効:2023年7月
義務化:2027年1月20日
→すでに移行期間の半分以上が経過しています。
◆では、今なにをすべきか?
「2026年になってから準備しよう」は危険です。
今すぐ以下の行動を始めることが、未来の競争力を守ります。
✅ AI・クラウド・自律制御を搭載した製品の棚卸し
✅ 既存のリスク評価の見直し(AI・サイバー・誤使用対応)
✅ デジタル文書化の準備(管理システムの構築)
✅ チーム教育(設計・品質・法務部門への周知徹底)
✅ 高リスク機械には早期に第三者機関をアサイン
✅ 取引先との連携強化(新たな責任を共有)
◆変化を先取りできる企業が、生き残る
この新機械規則は、EUが「テクノロジーと人命の両立」を本気で実現しようとしている証です。
法令対応と考えるのではなく、企業価値を高めるための機会ととらえてください。
未来のスタンダードを今から築く。
その第一歩として、私たちインターテックは皆さまをサポートします。
・現行機器のレビュー
・リスク評価の見直し
・デジタル文書化の支援
・第三者認証取得の準備
など、段階に合わせた柔軟な対応が可能です。
✅今、備える企業が未来をリードする。
ぜひお気軽にご相談ください。