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欧州委員会、医療機器規則(MDR)の大幅簡素化を提案

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 規則改革案は、コスト削減、コンプライアンスの効率化、革新的医療技術への患者アクセス迅速化をEU全体で目指す

 欧州委員会は、欧州連合(EU)の医療機器規則(MDR)および体外診断用医療機器規則(IVDR)の規制枠組みを簡素化するための長年待たれていた提案を発表しました。これらの改訂は、行政負担の軽減、規制当局間の連携強化、そして特に希少疾患向け医療技術を含む安全かつ有効な医療機器への患者アクセスの迅速化を目的としています。

MedTech Europeを含む業界団体はこれらの提案を概ね歓迎しており、MDRおよびIVDR施行後に生じている規制システム上の課題に対する必要な修正であると評価しています。

 

なぜ変更が必要なのか

MDRおよびIVDRはそれぞれ2021年および2022年に適用開始され、1990年代に遡る規制枠組みを近代化することを目的としていました。その狙いは、機器の性能および監督に関する懸念を受け、患者安全性の向上と臨床的エビデンスの要求事項の強化を図ることでした。

しかし、導入直後から実務上の課題が顕在化しました。製造業者はコスト増加、規制の不確実性、そして長期化する適合性評価の期間に直面しました。さらに、指定ノーティファイドボディ(認証機関)の不足が遅延を悪化させ、供給の混乱や、場合によってはEU市場からの製品撤退にもつながりました。

これらの問題を踏まえ、欧州委員会は今回の改訂案が「不必要なコスト、ボトルネック、企業にとっての不確実性、そして患者にとっての遅延」を解消することを目的としていると説明しています。

 

提案の主な要素

欧州委員会は、これらの改訂により年間約33億ユーロのコスト削減が可能になると試算しています。最も重大な変更点は以下の通りです:

  • 医療機器の適合性評価に関するルールの簡素化およびスケジュールの明確化(市場参入の迅速化を目的)
  • 欧州医薬品庁(EMA)の役割拡大を含むEU全体での連携強化
  • 再使用可能な手術器具や埋込み型機器の付属品など、一部機器のリスク分類の見直し
  • 臨床試験でのみ使用される場合の検査室開発検査(LDT)に対する適用除外

特に注目される提案の一つは、人工知能(AI)を組み込んだ医療機器に関するものです。現行では、こうした機器はEU AI法の下でハイリスクに分類される可能性がありますが、改訂案では医療機器に適用されるAI法の範囲を狭め、規制義務の重複を軽減する可能性があります。

 

希少疾患向け機器およびブレークスルー機器の支援

本提案の中心となる焦点は、小規模な患者集団向け機器へのアクセス改善です。従来の規制枠組みからMDRおよびIVDRへの移行により、希少疾患の治療に使用されていた一部機器が、適合性評価の高コストを理由に提供継続が困難になるケースが発生しました。

これに対応するため、欧州委員会は「希少疾患向け機器」に関する新たな規定を提案しています。これにより、特定条件を満たす場合、従来規則の下で合法的に上市されていた一部製品について、完全な適合性評価を経ずに市場での継続提供が可能となります。また、ノーティファイドボディに対しても、希少疾患向け機器およびブレークスルー機器を優先的に扱うよう促す方針です。

MedTech Europeはこれらの措置の重要性を強調し、ブレークスルーイノベーションおよび希少疾患向け機器向けの専用ルートは「必要とされる安全かつ有効な技術への迅速なアクセスに不可欠である」と述べています。

 

業界の反応と残された課題

業界団体は今回の提案を評価する一方で、さらなる改善の余地も指摘しています。MedTech Europeは、ガバナンスおよびシステム資源の強化努力を評価しつつも、単一で中央集権的なガバナンス構造の確立には踏み込まなかった点を指摘しました。また、同団体は、同じ法案パッケージに含まれるIVDRの長年必要とされてきた改正についても、立法者が引き続き注目すべきであると訴えています。

 

今後の見通し

今回の立法提案は、欧州議会および欧州理事会に提出され、審議および採択が行われる予定です。一方で、移行期間は延長されており、機器のリスククラスに応じて2027年または2028年までにMDRおよびIVDRへの適合が求められます。

欧州議会はすでに2024年に改革を求めており、業界も2026年初頭までの対応を促していることから、規制改革に向けた機運は高まっています。

 

今後の展望

本が採択されれば、欧州の医療機器規制環境において転換点となる可能性があります。患者安全性とイノベーションのバランスを取りつつ、規制上の摩擦を軽減し、EU全体で重要な医療技術への継続的なアクセスを確保することが期待されます。

製造業者、ノーティファイドボディ、医療提供者にとって、今後数か月はこれらの改革が実務にどのように反映されていくかを形作る上で極めて重要な期間となるでしょう。

※本ブログはグローバルサイトに掲載された記事の日本語訳です。原文はこちらよりご確認いただけます。

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この記事を書いた人

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

2005年にインターテックジャパン株式会社に入社。電気・電子部門の営業として、主にIT機器、医療機器、家電製品のEMC試験、無線試験、PSE試験などの各種試験・認証業務に従事。