AHJ 承認の理解:米国における設備検査の仕組み
目次
電気設備の安全性と信頼性を確保するために
米国向けに設備を輸出し、現地施設に電気設備を設置する際、必ずと言ってよいほど耳にするのが 「Authority Having Jurisdiction(AHJ)」 という用語です。では、この AHJ とは何を意味し、米国での設備検査にどのような影響を与えるのでしょうか。また、初回の検査でスムーズに合格するためには、何を押さえておくべきなのでしょうか。
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Authority Having Jurisdiction(AHJ)とは誰か
AHJ とは、法令や規格の要求事項を執行し、電気設備および設置を承認する権限を持つ組織、機関、または個人を指します。所在地や施設の種類によって、AHJ は以下のように異なります。
・ 消防署長または消防検査官
・ 建築検査官または電気検査官
・ 政府施設における指揮官
・ 民間施設における施設所有者またはその代理人
誰が AHJ であり、何を重視しているかを事前に理解しておくことで、設置プロセスにおける時間的・金銭的なロスを大幅に削減できます。
重要な2つの用語:「Listed」と「Approved」
米国国家電気規程(NFPA 70/NEC) では、「Listed(リスティング)」と「Approved(承認)」は明確に区別されています。
Listed(リスティング取得)機器とは、Intertekのような認定試験機関によって評価され、適用される安全規格への適合が継続して満たされていることを確認するため、定期的な検査が実施されている機器を指します。
機器に ETLマーク が表示されている場合、それは ANSI認定を受けた試験機関 によりリスティングされていることを意味します。
Approved(承認)機器とは、AHJ(管轄当局)が自らの管轄区域内での設置を認めた機器を指します。
重要な点は、機器がListed(リスティング取得)されているからといって、自動的にApproved(承認)されるわけではないということです。最終的な判断はAHJが行います。
しかし、IntertekのETLマークが表示された機器は、北米全域のAHJに広く認知・受け入れられており、多くの場合、承認はスムーズに進みます。
検査官が実際に確認するポイント
電気検査官が設備の設置状況を確認する際、いくつかの重要な要素を検証します。ここでは、実際の事例として、ヒューストンの製造工場に産業用包装機を設置するケースを見てみましょう。
検査官が確認する主な項目は以下の通りです。
1. 機械全体のリスティング
機器には、ETL Listed マーク などの認知された認証マークが表示されている必要があります。これは、産業機械向けの NFPA 79 など、適用される製品安全規格に基づいて評価されていることを示します。
2. 適切な識別表示
認証マークは機械の銘板上で明確に確認できなければなりません。これにより、検査官は認証機関の認証製品ディレクトリを通じて適合性を確認することができます。
3. 設置要件への適合
多くの設置案件で遅延が発生するのがこの項目です。検査官は、以下を含む NFPA 70 のすべての該当条項に従って機械が設置されているかを確認します。
・ 上流側過電流保護装置の適切な容量選定
・ 制御盤および機械への適切なアクセス確保
・ 適切な接地(アース)
次回の設置をよりスムーズに進めるために
検査での遅延を防ぐため、以下の点が重要です。
・ IntertekのETLなど、認証マーク付きの機器を選定する
・ 計画初期段階で AHJを特定する
・ 機器到着前に 設置要件を事前に確認する
・ 現地配線および過電流保護の容量設計を適切に行う
・ 制御盤や保守エリアへの 十分な作業スペースを確保する
AHJ が何を重視するかを理解し、適切に認証された機器を選定することで、どの NEC 版が採用されている管轄であっても、電気設備が National Electrical Code(米国電気規格) の要求事項を満たしていることを確認しながら、自信を持って設置作業を進めることができます。
結論としては、Intertek のような認知された認証機関と連携し、AHJ 承認プロセスを理解することは、単に検査に合格するためだけでなく、長期にわたって電気設備の安全性と信頼性を確保するための取り組み なのです。
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