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【CSA C22.2 No. 301対応ガイド vol.5】設計者が理解すべきリスクアセスメントと機能安全

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リスクアセスメントと機能安全


製品認証や機械の承認において、中心的な役割を果たす2つの重要な概念があります。それがリスクアセスメント(リスク評価)と機能安全です。リスクアセスメントは、ほとんどの機械承認の基礎を成します。リスクベースのアプローチが不可欠なのは、機械の設計や用途が多岐にわたり、あらゆるリスクシナリオに対応する詳細な規範的規格を策定することが非現実的かつ高コストだからです。

CSA C22.2 No. 301 の前版では、リスクアセスメントと機能安全の概念が言及されていましたが、それらは主に参考(informative)注記として記載されていました。今回の第2版では、新しい要件がいくつか追加され、これらの注記の一部が規定(normative/必須)要件に格上げされています。

リスクアセスメント

初版では、リスクアセスメントの実施が明示的に求められてはいませんでした。しかし、いくつかの条項では「リスクを考慮した設計判断」を求めており、暗黙的にリスクアセスメントの必要性を示していました。
第2版では、機械に添付する文書パッケージの一部としてリスクアセスメントを含めることが明確に要求されています。この評価は、CSA Z432、CSA Z434、またはその他の適用可能な規格に基づいて実施しなければなりません。

機能安全

CSA C22.2 No. 301 では、機能安全を表す用語として「安全制御機能(safety control functions)」が使われていましたが、それは参考注記内にしか登場せず、CSA C22.2 No. 0.8 への言及にとどまっていました。改訂版では、これを拡張し、CSA C22.2 No. 0.8 に加えて ISO 13849-1、ISO 13849-2、および IEC 62061 の使用も認められ、これらを用いて機能安全要件に対応できるようになりました。
また、規格では、CSA C22.2 No. 301 のセクション9に記載される制御回路および機能は、試験による検証、または機能安全要件への適合によって確認されなければならないことが明確にされています。

安全関連制御機能

もし機械に、CSA C22.2 No. 301 では扱われていない安全関連制御機能(例えば、感圧マットなどの感知式保護装置を用いたもの)が含まれている場合、それらの機能は CSA Z432 に基づいて評価されます。

第2版への移行

第1版に基づいて認証を取得しているメーカーは、第2版に基づいた認証へ更新する必要があります。この移行に伴い、認証機関による審査の厳格化およびより詳細な文書提出が求められることになります。

この記事を書いた人

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

インターテックジャパン 電気・電子部門編集部

2005年にインターテックジャパン株式会社に入社。電気・電子部門の営業として、主にIT機器、医療機器、家電製品のEMC試験、無線試験、PSE試験などの各種試験・認証業務に従事。